【特集】オーストラリア・モトGP2013

今年も熱い!
 
オーストラリア モトGP 2013
 
観戦ガイド

2013 AirAsia Australian Motorcycle Grand Prix

 
 2013年モトGPの第16戦オーストラリア・グランプリが10月20日、メルボルンの南にあるフィリップ島で開催される。ライダーでは注目の新星マルク・マルケスを中心にスペイン勢の戦い、メーカーではホンダとヤマハの日本勢の激烈な戦いとなっている。今年のオーストラリアGPの見所を紹介する。
 

新星マルク・マルケス、豪州GPで年間優勝なるか


独走態勢のマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)

今年のモトGPの注目は、彗星のごとく登場したスペインのマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)だ。マルケスは2010年、17歳の若さで125CCクラスの年間チャンピオンに輝き、12年はモト2クラスでも年間チャンピオンを飾っている。オーストラリアの元世界チャンピオン、ケーシー・ストーナーが12年に引退して、ホンダのライダー・ポストがマルケスに回ってきた。

弱冠20歳のマルケスは、第1戦のカタールGPで3位入賞。第2戦のアメリカズGPで初優勝し、フレディ・スペンサーが所有していた最年少優勝記録を31年ぶりに更新した。その後も転倒棄権したイタリアGPを除き、連続して表彰台に登り、第8戦のドイツGPから、アメリカGP、インディアナポリスGP(米国)、チェコGPと4戦連続で優勝を飾っている。これは51年前の62年にマイク・ヘイルウッドが樹立した史上最年少の4連勝記録に並ぶもの。ルーキーの年間5回の優勝は、ケニー・ロバーツが78年に記録した4勝を上回り、モトGP史上初の快挙であり、今シーズン中までにどこまで優勝回数を伸ばすのかを世界が注視している。

イタリアGPを除きすべて表彰台に登るという驚異の安定性も見せており、第13戦サンマリノ・グランプリまでの年間成績では253ポイントとトップを走っている。史上最年少での年間チャンピオンがオーストラリアGPで決定する可能性もある。これまでの記録をすべて塗り替える可能性を秘めた超大型新人の登場に、全オートバイ界の熱い視線が集まっている。

 

追従する強豪たち


レプソル・ホンダのダニ・ペドロサ(左)とマルク・マルケス

昨年の世界チャンピオン、ホルヘ・ロレンソ(スペイン、ヤマハ、26歳)も決して負けてはいない。開幕カタールGP、イタリアGP、カナルニアGP、イギリスGP、サンマリノGPと5勝して219ポイントで第2位につけている。

昨年年間2位のダニ・ペドロサ(スペイン、ホンダ、28歳)は今年2勝ながら219ポイントとロレンソにぴったり並んでいる。

第4位には、9回の年間チャンピオンを誇るベテランのバレンティーノ・ロッシ(イタリア、ヤマハ、34歳)がオランダGPの1勝で169ポイントを挙げている。

年間優勝は、勢いと安定性からいってマルケスの可能性が高い。続いてロレンソとペドロサは昨年と同様に最終戦までもつれる予想。

驚くべきことに、今年のモトGPの1位から3位までの表彰台をこのスペイン人ライダー3人でほとんど独占している。アメリカズGP、スペインGP、カタルニアGP、インディアナGP、チェコGP、イギリスGP、サンマリノGPは順位こそ違ってもこの3人が表彰台に上がった。

 
マシン対決はホンダとヤマハが熾烈な争い


サンマリノGPで優勝したホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。昨年の年間チャンピオン

メーカー別では、サンマリノGPまででは、ホンダがマルケスの5勝とペドロサの2勝で7勝291ポイント。ヤマハがロレンソの5勝とロッシの1勝で6勝270ポイントとほぼ互角の戦いを演じているが、マルケスが優勝を重ねると当然、ホンダが抜け出すと見られる。若いマルケスとホンダの組み合わせが今後、数年間はモトGP界を引っ張るのは間違いない。

昨年からエンジン排気量が800ccから1,000ccへと大きく増加した。ホンダのマシンは「RC213V」。ヤマハは「YZR-M1」。日本勢に対抗するイタリア、ドゥカティのマシンはデスモセディチGP13だが、昨年より未勝利で今年も日本勢に大きく引き離されている。

 
4人の日本人ライダーが豪州GPに参戦


9回の年間優勝を誇るベテランのバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)

日本人ライダーだが、青山博(アビンティア・ブルセンス、FTR・カワサキ、31歳)がモトGPに今年から復帰した。15位前後の成績だが6ポイントを獲得してがんばっている。

モト2クラス(600cc、4ストローク・エンジン)には中上貴晶(イタルトランス、カレックス・ホンダ、21歳)と高橋祐紀(モリワキ、29歳)、モト3クラス(250cc、4ストローク・エンジン)には渡辺陽向(FTR・ホンダ)が参戦している。

今年好調の中上は、第9戦のインディアナポリス戦から4戦連続で2位に入るなど優勝まであと1歩まで迫っており、オーストラリアGPでの初優勝が期待される。渡辺陽向はホンダ期待の18歳の新鋭。日本人レーサーの活躍が期待される。

■2013 AirAsia Australian Motorcycle Grand Prix
日程:10月18日(金)〜20日(日)
会場:Phillip Island Grand Prix Circuit, Cowes VIC
料金:一般$45〜、グランド・スタンド$290〜、VIP$920〜
Web: motogp.com.au

 
 

観戦お役立ち情報

 
■レース・コース
 フィリップ・アイランド・グランプリ・サーキットは、メルボルンから140キロ南に位置する観光地として名高いフィリップ島にある。ホームストレートは900mで全長4,448m。咆哮する南緯40度と恐れられるバス海峡から強烈な南風が吹き込み、高低差も激しい美しいが難しいコースである。
 
■位置取り
 モトGPは42分ほどで終了する。広い会場内を移動している時間はないので、どこに位置取りをするかが肝心。高速走行が楽しみたい人はホーム・ストレート。コーナーで減速するマシンを撮影したい人は第6、第10コーナーなどがお薦め。F1GPと違ってフェンスがなくマシンとの距離も近いのでダイナミックな写真が撮れる。
 海が見える場所もいくつかあり、美しい自然を背景にダイナミックなレースが展開する。
 
■服装
 フィリップ島はペンギン・ツアーやコアラなどで暖かなイメージとは裏腹に冷たく強い風が吹き付ける。メルボルン市内とは体感温度で4〜5度は違うので覚悟すること。
 警備員などを務める地元の人は、完全な真冬用防寒具で身を包んでいる。雨が降ると舗装状態がよくない会場周辺はぬかるみと化す。
 冬用のレイン・ジャケットや長靴、また観戦時に会場で広げるビニール・シートなども準備しておくこと。晴れた日には日焼け止め、サングラス、帽子も忘れずに。

 
■交通
 メルボルンからはシャトル・バスが運行している。市内フェデレーション・スクエアの裏手、フリンダース通りをラッセル通り方面に行くとバス乗り場がある。運行時間は曜日によって違うが、決勝戦当日は朝に6時45分と9時半の2便が運行している。料金は大人往復39ドルなど。
 メルボルン空港から会場まで毎朝10時1便の直行バスも運行されている。料金は大人片道60ドルなど。
 鉄道でシティのフリンダース駅、サザンクロス駅からストーニーポイントまで行って、フェリーボートでフィリップ島へ渡る方法もある。本数が限られているので遅れないこと。片道37ドルなど。
 
■イベント
 会場では各種イベントが行われるが、目玉はライダーたちによるサイン会。18日、19日に行われ、マルク・マルケスなど世界のトップ・ライダーの直筆サインが入手できる。朝8時15〜30分までに所定の場所に並んで整理券をもらうこと。
 決勝戦のある20日の午前中は、9時過ぎからスーパー・バイク・レースやモトGPのウォームアップなどが行われる。
 午後12時25分からは、モトGPライダーのパレードがある。1時からはモト3クラス決勝レース(23周)、2時20分からはモト2クラス決勝レース(25周)と続き、4時からモトGP(27周)がスタートする。
 サーキット内の各種レースだけでなく、いろいろなイベントが開催されており、朝早くから丸1日楽しみたい。
 
■フィリップ島や周辺の観光
 自然がふんだんに残されているフィリップ島やモーニントン半島、ギップスランドで、1〜2泊して雄大な自然を楽しみたい。リトルペンギンのパレードは、周囲がまっ暗になったころに始まる。コアラやアザラシの保護地なども近い。フィリップ島のホテルが取れない場合は、モーニントン半島やギップスランドがお薦め。オーストラリア最大の生垣迷路のアシュコムメイズや、断崖絶壁の絶景ケープ・シャンク、メルボルンっ子の避暑地フリンダースなど美しい大自然が満喫できる。
 
 

文=イタさん(板屋雅博)
ジャーナリスト。日豪プレスのコントラクト・フォトグラファー。AFL、テニス、ゴルフ、F1、サッカー、競馬などメルボルンのプロ・スポーツをメインに取材、撮影。メルボルンの情報・歴史が盛りだくさん「メルボルン百景(melhyak.web.fc2.com/)」も更新中。

 

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