第4回 「寝耳に水」

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日本語の慣用表現
        どう言うの
英語で Do You Know ?

オーストラリア国立大学
アジア研究学部日本センター准教授
池田俊一


 最近は、全く予期せぬことが起こることが多く、たいていのことには驚かなくなってきているような気がするが、この予想だにしなかったことを日本語では「寝耳に水」と言う。


もともとは「寝耳に水の入るごとし」、つまり、寝ている耳に急に水が入って来るような予期せぬ出来事という意味である。英語では、”a great surprise; a thunderclap; a thunderbolt; a bolt from the blue; be caught off guard” といった訳を当てる。日本語では、驚きの度合いが非常に強い時に「青天の霹靂」とも言う。
 それは、全く寝耳に水だった。
(It was a complete surprise to us.)
 それは、まさに青天の霹靂だった。
(It came upon us like a thunderbolt.)
 その知らせは寝耳に水だったので、すぐに対応できなかった。
(We were caught off guard by the news and were unable to cope.)
 ついでに、「耳」にまつわる慣用表現をもう1つ。「耳にたこができる」という、同じことを何度も聞かされ、うんざりしている様子を表す言い方がある。この「たこ」は手足にできる「胼胝」のことで、英語では “a callus; a corn” を指す。よって、この慣用表現は、”hear more than enough of (something); be sick of / tired of hearing (something)” という意味になる。
 もうその話は、耳にたこができるほど聞かされた。
(I have heard more than enough of that.)
 もう2度と同じ過ちを繰り返さないように、耳にたこができるほど言い聞かせた。
(I drummed the lesson into his head so that he wouldn’t make the same mistake again.)
 もうたくさん!? 耳にたこができそうだ。
(Enough is enough!? You are constantly on about it. = I am sick of hearing it.)
 何かを意図的に聞こうとしなくても、自然に聞こえてくることを「耳にする」という表現で表すが、「寝耳に水の知らせを耳にして驚かされるのも、同じことを耳にたこができるほど聞かされるのも、ご免蒙りたいものである」。
(It would be good to avoid situations such as being caught off guard by surprising news or by being told the same thing over and over again.) 
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件名:日本語・池田先生係

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