第11回「鬼は外、福は内」

慣用表現英語でDo You Know ?

日本語の慣用表現
        どう言うの
英語で Do You Know ?
オーストラリア国立大学
アジア研究学部日本センター准教授 池田俊一

第11回 「鬼は外、福は内」

 2月3日は節分 (the beginning of the natural year)。日本では,この日「鬼は外、福は内 (Devils out, fortunes in)」と言いながら,豆まきをする風習がある。今回は、この「鬼」という言葉が使われている表現を見てみよう。
例1 心を鬼にして,わざと厳しいことを言い、本人の立ち直りを期待した。
I hardened my heart and deliberately used harsh words in the hope of getting him/her to rebound.
「心を鬼にする」という表現は、本当は心配で気になるのだが、甘い言葉を使うと相手が自覚しない恐れがあるので、意図的に厳しい態度をとることを表す。
例 2 あの人は鬼のような心の持ち主だ。
He has a heart like a fiend’s.
「鬼のような」という言い方は、普通の人間なら考えられないような冷酷非道なことを言ったり、したりする人のことを指し、”demoniac, devilish, ogr(e)ish, fiendish, ghoulish, diabolic, cruel, inhuman, unnatural” などの意味を表す。
例 3 与党の政治家の醜聞が伝えられると、野党がまるで鬼の首でも取ったかのように喜ぶのは、見ていて情けない。
It is despicable [shameful, regrettable] to see the opposition party feels as happy as a king [lark] when a scandal of a government party’s politician is revealed.
「鬼の首でも取ったように (triumphantly)」という表現は、予想外の好結果を挙げたり、聞いたりして、有頂天になって喜ぶ様子を表す。
例 4 渡る世間に鬼はなし。
There is kindness to be found everywhere.
 これは、世の中には辛い、嫌なことがたくさんあるが、必ずどこかに親切な人がいて助けてくれるものだ、という励ましの表現である。
例 5 鬼の目にも涙 。
Even the hardest heart will sometimes feel pity.
 最後に、「○○の鬼 (a demon for, a ~ fiend, indefatigable)」という言い方は、何かに非常に熱心な人という意味で、「仕事の鬼 (a demon for work, a work fiend, an indefatigable worker)」「土俵の鬼 (a devil for Sumo, a Sumo fiend, a demon at Sumo)」のように使われる。
 さて、読者の方々は、何の鬼 ? (Well, I wonder what readers of this column are “demons” for.)
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件名:日本語・池田先生係

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