心に傷を持つ/福島先生の人生日々勉強

福島先生の人生日々勉強

心に傷を持つ

この世に存在しているものは、必ず変化していきます。自分の思い通りに周囲のものが変化しない場合、例えば親であれば、子どもが思った通りに成長しないと心苦しく、変わってほしくないことが変わってしまうと悲しみます。しかし本来、変わっていくからこそ、ものは存在しているのであり、自分の思い通りに周囲のものが変化するなどということ自体、望むべくもないことでしょう。何事にも関わらずに生きていけば苦しまずに済むということになりますが、それでは喜びや楽しみも生まれないことになってしまいます。

思えば、私という存在自体が本当につかみどころのないものです。昨日の私と今日の私は同じ私なのか、違う私なのか。不変の私、変わらざる私の魂というようなものがどこかに存在するのか。今の私が何と出会い、出会ったものに対してどのような反応をし、いかなる行動を取ろうとするのかが、次の瞬間の私を決定します。私を存在させているのは私ではなく、周りの存在、命との関わり合いが私を今の私として存在させているのです。

人の生きがいや目標はさまざまですが、いかに精一杯努力しても、目標が達成されるかどうかは、周りの存在との関わり合いによって決まります。努力すれば達成され、努力しなければ達成されないということが事実である一方で、どんなに努力してもできないことはできないし、努力しなくてもできることはできてしまうというのも世の常です。

運が良い、悪いという言い方もあります。人生には運と呼ばれる巡り合わせが付きものだからですが、失敗した、運が悪かった、とその時は思っても、失敗には意味も教訓も深く込められていたのだと、後になって分かるということが往々にしてあります。そうした一連の流れを意識して、自助努力を精一杯行い、自分の力の及ばない意思にも耳を傾けて、結果に対しては深く思い悩まないことが、人生を楽しむコツなのだと思います。

他人や自分を評価する際、目標が達成されたかどうかという結果に囚われてしまいがちですが、人生において大切なのは、目標に向かって努力する過程です。この過程において人柄や人間性が熟成されていくからです。目標が達成されるかどうかはご縁によりますから、いくら努力しても縁が整わない時には夢は叶いません。そういう時は、焦らずに、新たなご縁に恵まれるまでの過程をもゆっくり楽しんでみてはどうでしょうか。傷のある果物や、気候の厳しい地域の果物がおいしいというのは大変に教訓的で、人間も無傷よりは苦労があった方が、味があって愛されるという一面もあります。成功を手に入れるばかりが幸福ではないのです。


教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。34年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手掛ける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である。

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