風通しのよい1日

福島先生の教育指導

Teacher’s Advice
福島先生の教育指導

風通しのよい1日


どう生きるのが一番楽かというと、心を「無」にすることです。しかし実際、私たちは概念が服を着て歩いているような存在です。1人ひとりが数えきれないほどの概念を携えて生活をしています。「これはこうして、こういう時はこうして」と、自分なりの考えに則して行動しています。そして、その通りにことが運ばないと心が乱され、「無」の境地を目指すどころではありません。それでは、どうすれば少しでも軽やかに生きられるのでしょう。

自分の考えを持つことは大切なことですが、そのせいで息の詰まる暮らしをしているとしたらどうでしょう。「私はこういう人」で「私の考え方はこうである」と自分の主義主張を貫くのは一見賢く立派に見えるかもしれませんが、決してそうではありません。「私の考えはこうだからこうしなければならない」というのは呪縛のようなもので、頑なであればあるほど、ほかのものが見えなくなります。呪縛を解かなければ、目の前に開かれている道にさえも気付くことができませんし、他者と共存することもできません。

考えを曲げることや自分を変えることを嫌う人がいますが、柔軟になるということは、逃げ出すことでも無神経になることでもありません。熟慮した上でそのことにとらわれることなく、別の方向からやり直してみたり、あるいはさらりと流して忘れてしまうといった転換を図ることです。体の力を抜き、深く息を吐いて、固執していたものを手放すと楽になり、これまでとは違った価値観や全体の様子が見えてきます。

自分の能力をもっと発揮したいと思っている人も同様です。柔軟で制約の少ない方がいい仕事ができるものです。自分と異なるものでもすべて受け入れることで、自分にはなかった良いところも吸収できますし、そうした心の習慣によって状況の変化にも強くなります。自分の考え方ややり方に固執すると、「自分はここまでしかできない」「もうこのくらいで十分だろう」という思い込みを作り、成長の機会を逃してしまいます。

呪縛を解き、心の窓を開いていると、自然の理により良心に従って判断することができるようになります。また、必要なものを素直に取り入れることができるようになります。心を自由にすることで、これまでとは違う高みへと成長することができるのです。

概念に強く縛られていると堅苦しく、息苦しい生活になります。体が柔軟な方がケガもなく生活しやすいように、心も柔軟な方が人とぶつかることもなく、生活しやすいのです。制約がなければ臨機応変、変幻自在です。心柔らかに、自分を縛っている概念から自由になって、風通しのよい1日を過ごしましょう。


教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。25年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である

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