自己責任

福島先生の教育指導

Teacher’s Advice

福島先生の教育指導


自己責任


幼い子どもに自我が芽生えてくると、自分の非をとがめられた時、責任逃れを図ることがあります。これは自分を守ろうとする本能であり、小さな子どもがそういう行動をとるのは当然です。青年期にもしばしば見られます。“自分が悪いことをするのは社会や親、先生が悪いから”“喧嘩をして謝らないのは、相手が悪いから”。

ところが、自分の立場が危うくなった時、逃げ口上を述べる大人もいます。「自分がこんなことをしたのは、ストレスが溜まっていたからで、ストレスの原因はお前。だから、悪いのはお前」——。

他人を責めて自分の過ちを正当化するのは、責任を持ちたくなくて、怠けたいからです。悪いのは相手だと思い込んで責める方が、自分で努力して現状を打開するよりもずっと簡単だからです。

しかし、それでは解決しません。ますます風当たりは強くなり、信用もなくしますし、自己嫌悪からストレスも増大します。そんなことを繰り返しても、いつまでも成長できません。

問題が起きた時、話し合いで解決しようとする人と、責任転嫁をして腹を立てるだけの人とでは、同じように言い合っていても、その内容は正反対です。前者は「どうやって状況が好転するか」と考えて前向きにものを言いますが、後者は屁理屈を述べ、揚げ足を取っていかに相手を罵倒し、侮辱するかということに集中するので、どのように事態を改善するかというところまで考えが至りません。

尊敬できる親、上司、友人。信頼できる夫、妻。そうした人たちは、責任感のある人たちです。自己責任を潔く取れる人には、おのずと善い人たちが集まり、課題を次々と成し遂げていきます。

 彼らは、弱い自分を守るために他人を非難したりすることがない上、問題が起きても責任を引き受けることで、それが自分を改善するための良い機会となり、また一段と上の高みへと上ります。

「相手が悪い」と思ったら、怒りを爆発させる前にまず1歩引いて「この気持ちは、弱い自分を守るためのものではないのか」と自省してみましょう。そういう時こそ、弱い自分から新しい自分へと変貌を遂げるチャンスです。

都合のいい理由を見つけてそこに逃げ込まずに「自分の人生の責任は自分で取る」と決意しましょう。変えられないものは受け入れ、変えられるものは変えるための行動を起こし、積極的に修正していくのです。ただし、その行動は自分にとっても他人にとっても、平和で自由であることが重要です。


教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。25年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である

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