仏頂面

福島先生の教育指導

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仏頂面

「 何か怒っている?」と聞かれる時、その人は間違いなく仏頂面をしています。不機嫌だと思われても仕方がありません。それでは、いつも不機嫌そうに見える人とそうでない人とは何が違うのでしょうか。不機嫌さをしばしば指摘される人は、別に不機嫌ではないと反論するでしょうが、気持ちが晴れていれば、決してそういう顔にはなりません。内心では、相手が自分の気持ちや立場を理解しないことに対して憤怒しています。相手に厳しい評価を下し、不満を隠しているのです。

不機嫌に見える人は、何かというと険しい顔をして黙りこみ、周りに気を遣わせてしまいますが、その発端は、他人の気持ちを慮おもんばかるところにあります。相手がどう思うかをいつも気に掛けているのです。それなのに、相手は自分のことを少しも気にかけてくれない。いくら尽くしても、相手の情が感じ取れない。そのことが理解できず、我慢できなくて、不機嫌になっていくのです。しかし、周りから見れば、黙ってムスッとしている人の方こそ理解できません。腹に何か持っていることを感じ取り、一緒にいても不愉快です。ところが、不機嫌な人にそのことを指摘しても、指摘した人の方が鈍感でわがままで自分勝手だとしか見えていませんから、治るわけがないのです。

よく誤解されることですが、ご機嫌タイプの人は決して怒ったり泣いたりしない人かというと、そうではありません。むしろ、よく怒り、よく泣き、よく笑う人です。感情表現が豊かで、気性がさっぱりしています。恨み言は言っても後腐れがなく、ブツブツ連ねる文句にもどこか明るさがあるのです。 ところが、家に帰ると仏頂面という人は、外面(ソトヅラ)が良く、外で格好をつけ、自分を抑え込む分だけ、身内に対し、強気で陰険になっています。

さらに口論の時には、もっと質(タチ)が悪くなります。ご機嫌タイプの人は「言いたいことを率直に言う」のですが、不機嫌タイプの人は、「相手のプライドを傷つけるようなことや皮肉や嫌味をわざと言う」のです。親しい間柄では、こうした不機嫌タイプのひと言が心のバリアを突き破り、大変な事態を招きます。心の距離が短いために、ナイフが相手の胸にぐさりと深くつき刺さってしまうのです。

内心で非を認めながらも、あれこれと理屈を突き付けたり、逆に相手の非を並べ立てて反撃するような人は、かなり重症な不機嫌タイプだと言えます。思い当たる人は、「勇気」を出さねばなりません。そうでなければ、周りに迷惑を掛け続け、人間関係も悪化させ、何より、自分が不幸になります。不機嫌タイプからの脱却を図るには、余計なことは考えず、素直に謝れるようになることです。「自分に非がないのに誰が謝るか!」などと息巻いているうちは、永遠に仏頂面の人です。


教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。27年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。19 92年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である。

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