分けることをやめる

福島先生の教育指導

福島先生の人生日々勉強
分けることをやめる

私はいつのころからか、あまり物事を区別して考えることをしないで生きてきました。けじめがないように聞こえるかもしれませんが、実のところ、何事も分け隔てしないで受け入れる方が自然の摂理に沿っていて、清々しくシンプルに働くことができるのです。

仕事中、ここから先はプライベートだ、と外と内を分けて考えることはしてきませんでした。相手が子どもでも大人でも、ことさら何か違えて対応するということもありません。子どもに教えることはたくさんあって、躾(しつ)けももちろん大切なことですが、だからといって、子どもを大人よりも軽んじるという発想には、どうしてもならないのです。

同じ人間として対等であればこそ、互いに敬愛し、知識や知恵を分け合うことができます。学習とは、より多く知っている方から学ぶに過ぎず、大人ばかりが子どもに教えていると思い違いをすることは大変な驕(おご)りであることを、大人は常に心に留めておかねばなりません。

分けないということは、日々の暮らしを楽にしてくれるものでもあります。もしも、住んでいる場所や身に着けているもので人を分けたり、置かれている立場をほかと区別して「自分だけはこうでなければならない」「絶対にこれをしなければならない」と決めるなど、1日中、すべてのことを分けて考えていると、心の休まる暇がありません。ゆったりと楽に暮らしたければ、分けることをやめるといいのです。いざやめてみれば、不要の長物だったとすぐに分かります。

分けることをやめると、どんなに忙しくても悠々と仕事をこなすことができます。仕事がストレスになるということもありません。子育てストレスも同じです。良い親、悪い親を区別し、良い親であろうとして、これを食べさせなければ、あれをさせなければ、何時には絶対に寝かせなければ…と思い詰めると、親のストレスが子どもに悪影響を及ぼすばかりで、教育の効果はまるで望めません。

休日も、休日だからといって頭の中で平日と分かち、寝過ぎて体を壊すというようなこともあります。「休みだから遊ばねば」と決めつけることがストレスを生むこともあります。人はもっと自由でいいのではないでしょうか。心を自由にしてやり、体にゆとりがあれば体を使い、頭を使いたければ頭を使って、この世界のため、人のため、何かしら自分にできることをするというのが、人間にとって最も心地良い過ごし方です。

可愛い我が子も、我が子でありながら、この世界の子でもあります。すべてのものには縁があり、繋がっているというのが真実です。元より隔てることのできぬ世界に生きるのです。どうか無限の可能性を、自ら作った頑強な壁で区切ってしまわないようにしてください。


教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。28年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である。

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