ダメなんかじゃない

福島先生の教育指導

福島先生の人生日々勉強
ダメなんかじゃない

私たちはいつもいらない感情を持ち歩いています。生きるに邪魔と分かっていても手放せず、いつまでも重く煩わしい否定的な感情とともにあるのです。怒りや嫉妬、不安、悩み、思い煩い、果ては恨みまで、こうした暗い感情は私たちのエネルギーを奪い、生きる気力を失わせてしまいます。うまく気分転換ができる人はいいのですが、往々にしてつらいことというのは連鎖するもの。しかし、否定的な思いが心に巣食い、習慣になってしまうと、たった1度きりの人生を楽しめなくなってしまいます。このまま、何も良いことがないまま、死ぬまでの日々をただ耐えるだけなのかとまで思い詰めてしまう人もいます。こうした思考は自滅的であるばかりでなく、周囲の人の気分にまで悪影響を及ぼします。迷惑をかけているという事実はさらに自己評価を下げ、出口の見えない暗鬱な日々を作り出してしまいます。

自分が暗い人間だからこうなるのだと卑下する必要は全くありません。人というものはそういう生き物だ、というだけのことです。私たちは1日中、何かを考えずにはいられないのですが、そのほとんどは否定的な考えだということはあまり認識されていません。種を保存せんとするDNAが無数の否定的予測を立て、最悪の事態を防いでいるからこそ今日も無事に生きていられるのですが、その否定的予測こそが、否定的な感情の源なのです。暗闇を歩くと危険だと教えてくれる働きが、「あの人が笑っていないのは私のことを嫌っているせいだ」といった否定的な思考をも生んでしまうのです。良薬の副作用のようなものですね。

要は、そのことを知っているといないとでは大違いだということです。「否定」自体は、生きる上でどうしても必要な良薬でもあるわけですから、否定的思考をすべて取り除くことはできません。しかし、思考を見張っていれば、いち早く察知することができます。「ああ、出た出た」「また来たな」「有難迷惑なので消えておしまいなさい」とその否定的な思考に命令すればいいのです。この方法は、科学的に証明されているたいへん効果的な対処法です。

最もいけないのは、自分がダメだと勘違いすることです。私たちはとかく失敗にこだわる傾向があり、それが自尊心を損なって自信を失う原因になるのですが、むしろ、否定的思考が次々に湧いてくるならそれだけ強い生命力を持っているということなので、自信を持っていただきたいと思います。失敗はダメだったということではなく、失敗すればするほど、うまくいかない方法を誰よりもたくさん見出すことができるのだと知りましょう。否定的な思考はバッサバサと斬り捨てて、颯爽と突き進んでいってください。逆境は必ず乗り越えることができます。


教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。28年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である。

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