ゴールドコーストの釣り専用桟橋

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第158回

フィッシング・ライター
金園 泰秀
ゴールドコーストの釣り専用桟橋
 オーストラリアの代表的な観光地として有名なゴールドコーストは、白く長く続く外洋のビーチ、そして無数に流れる碁盤の目のように入り組んだカナルと呼ばれる運河が数多くあり、水の都市とも言える。
(写真)この釣り桟橋には、汚れた手を洗う場所やゴミ箱、トイレ、KIOSKなどがある


 全体的に浅い砂底で構成されるゴールドコーストの海底は、魚にとって隠れ場所などが少なくあまり変化がないので、釣り魚もキスをメインにコチ、クロダイなどが主なターゲットになる。しかし、温暖な気候による安定した水温とマングローブの林の中でエサとなる小魚や甲殻類などが豊富に育っているので、魚影も濃く1年中釣れるポイントとして知られている。
 シー・ワールドという有名なアトラクションがあるが、その少し先に内海の海水が外洋に流れ出すスピットと呼ばれる水路があり、その水路の延長に石を積み上げて作られた堰堤が沖まで続く。その横にはそこに流れ込む砂を吸い上げて沖に浚渫する桟橋がある。
 この桟橋は釣り用に一般開放されていて、地元のアングラーたちで賑わっている。オーストラリアでは、荒い外洋に直接対面するような桟橋の数が非常に少なく、その多くは立ち入り禁止になっているため、アングラーたちにとって貴重な存在である。
 桟橋には手を洗う場所や釣った魚を処理するテーブル、そしてトイレやKIOSKもあるので、エサや道具を持たない人にも手軽に釣りを楽しめるようになっている。気になる使用料も1日5ドルという格安な料金設定となっているから驚きだ。
 この桟橋で狙える獲物はゴールドコースト名物のシロギスやクロダイから、マアジやシマアジ、そしてテイラーやマダイ、時にはヒラマサやカンパチといった豪華なものだ。ただ、この桟橋の欠点は、釣り座が水面から5メートル以上もあり、釣った魚はクレーンのように垂直に持ち上げなければならないこと。大きな魚ほど橋桁の周りで掛かるので、逃げるときも橋桁の周りに隠れて糸が絡んで切れてしまったりと、釣り上げに成功するチャンスが低くなってしまう。

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シロギスやアジ、シマアジなどは普通に釣れ、時にはヒラマサ、カンパチも回遊する

 ゴールドコーストには、当地に永住している日本人が多く在住しているが、釣り好きな人の中には日課のようにこの桟橋に来る人も少なくないようだ。ゴールドコーストの釣り仲間に聞くところによれば、行けば必ず会う人が何人かいて、彼らは釣りをする場所もある程度決まっているらしい。釣ったアジなどをその場で捌いて刺し身にし、即興のツマミにして飲んでいる御仁もいるとのこと。
 ゴールドコーストやブリスベンでは、シドニーのフィッシュ・マーケットやメルボルンのビクリトア・マーケットのように刺し身用の新鮮な魚を売っているマーケットはなく、一部のマグロやサーモンを除いて、刺し身で食べられる魚を手に入れることは至難の技である。釣りで新鮮なヒラマサやカンパチ、マグロ、マダイを手に入れている私などは羨望の的になっているようだ。
 こちらのフィッシュ・マーケットで売られているものは、エビの底引き網に混じって取れる小型のイカやピンクフィッシュと呼ばれる小型のイトヨリという魚の仲間、そしてテイラーやクロダイなど。一本釣りでの獲物は、カラフルな色の熱帯系の魚が主体になるので、刺し身で食べれる対象魚は、たまに入るキハダマグロやタスマニアから空輸されるサーモンぐらいなものである。
 シドニーやメルボルンから当地に引っ越してくる人たちには、めったに鮮魚を口にすることができなくて驚く人もとても多いようだ。当地で鮮魚を手に入れようとすれば竿を片手に釣りに行かねばならない。しかし、刺し身で美味しい魚を釣るには外洋の沖にボートで行かねばならないので、これもボートに強くない釣り人にとってはかなり高いハードルとなってしまう。
 外洋に面して青物魚の釣りが可能なこの桟橋は、当地に住む日本人にとって、とても貴重な場所である。アジが釣れ出したという情報が流れるやいなや、アジ専用のサビキという仕掛けを持ったアングラーがびっしりと桟橋に現れ、シマアジが釣れるという情報には太めの道具と仕掛けを持って人々が集まる。
 この桟橋は、当地に住む一般のアングラーたちにとって聖地とも言える場所かもしれない。
オーストラリアの釣り情報
www.fujimaru.com.au

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