響き合うことの大切さ/花のある生活

花のある生活 第40回
─ flower in life ─

響き合うことの大切さ

床に花器を直接置いていけてみる。机の上と比べ面積の制限がないので、自由自在に裾を広げることができる
床に花器を直接置いていけてみる。机の上と比べ面積の制限がないので、自由自在に裾を広げることができる

 白熱の戦いが繰り広げられた東京オリンピックでは、国旗を背負った選手たちの真剣勝負を画像を通して観戦することができ、生きる元気や勇気を受け取ることができました。何年も掛けて練習してきた成果を一瞬に込めて戦い抜いた姿には、結果はどうであれ、勇者そのものに映りました。

 個人の競技であっても決して1人で戦ったわけではなく、多方面からの応援や支える人たちの力が溢れるように満ちていたことも、選手としては頑張れる原動力であったに違いないと思います。過酷な環境下であっても正々堂々と立ち向かえる姿勢は、すばらしいものだと感じました。

 そばでの応援が叶わなかった無観客競技で、国を超えて遠方から、祈るように応援してきた方々へ選手たちが感謝の気持ちを述べていた試合後のスピーチがとても印象に残っています。自分たちが一生懸命に取り組めたのは、自分を支えて、応援してくれる人びとのおかげだと、試合直後に息を切らしながら応える選手たちの輝きは、時間が経っても色褪せることはないでしょう。

 表立って見えない所で支えるということは、スポーツに限ったことではないと思います。「縁の下の力持ち」という言葉があるように、いけばなの作品にも「名脇役」となる花や器があり、それぞれが主張し、共存して共同の雰囲気を作り上げることにより、美しい作品になっていきます。私が習う流派の初代御家元が書かれた花伝書には「花と室、器と室、室その物の構造、材質や色彩などとの調和に考えを広げましょう」とあります。

 今月の作品は床上がりという技法で、広いスタジオの床面全体に、躍動感を感じられるよう工夫していけてあります。素材同士の響き合う調和が、人の心に刺さるものを生む気がします。

このコラムの著者

Yoshimi

Yoshimi

いけばな講師。幼少期より草月流を学ぶ。シンガポールでの華道活動を経て、現在はシドニーでいけばな文化芸術の発展に務める。令和元年には世界遺産オペラ・ハウスで日本伝統芸能祭に出演。華道教室を主宰。オンライン・レッスン開催中。
Web: 7elements.me

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