第2回 ペットがヘビに噛まれたらどうしたらいい ?

教えて!獣医さん
毒蛇ブラウン・スネーク

教えて!獣医さん
大切なペットを病気や危険から守る方法

 オーストラリアの陸上ヘビは136種類おり、そのうち26種類が非常に危険な毒ヘビです。QLD州ではブラウン・スネークとタイガー・スネークの被害が最も多く報告されています。


 ヘビの毒は種類によって神経、筋肉、腎臓、血液、局所の細胞に作用します。症状は、どのヘビに噛まれたかによって異なりますが、非常に強い痛み、起立不能、茶色から赤い尿、麻痺、痙攣、呼吸困難、止血不能の出血、粘膜蒼白、浮腫、嘔吐、下痢、衰弱、唾液をダラダラ流す、歩行困難などが挙げられます。
 ペットが実際にヘビに噛まれた現場を見た場合、もしくはこれらの症状のうち複数が当てはまる(ヘビに噛まれた可能性が示唆される)場合は、動物をすぐに病院へ連れて行く必要があります。噛まれた部分から毒を吸い出そうとしないでください。病院で毒素の検査ができなくなります。病院に搬送する時は、動物を「伏せ」の状態にし、呼吸を見ながら迅速に行います。刺激を与えると症状を悪化させる恐れがあるので、なるべく静かに運びましょう。
 最も有効な治療法は解毒剤を使うことです。ただ解毒剤は高価で、最低2,000ドルはかかります。また、どのヘビに噛まれたかが分からない場合は、最初にヘビの毒素検査をし、どの解毒剤を投与する必要があるかを確かめなければいけません。さらに症状がひどい場合は、酸素補給が必要になったり、麻酔をかけて動物を安静にする必要が出てきたり、点滴をする必要が生じることもあるでしょう。
 一番大事な予防法はヘビに近づかないこと。夜出歩かない、草丈の高い所は歩かない、ヘビを見かけたら立ち止まる、もしくは後退してヘビとの距離を取る、山を歩く時は動物にリードを付けるなども大切です。
 ヘビはオーストラリアの自然動物として州法律保護下にあり、個人の判断で殺すことは薦められていません。またヘビは人間が攻撃の態勢をとれば自己を守るため攻撃を仕掛けてきます。ヘビを見つけた時は自分で対処しようとせずに蛇駆除業者(snake removalist)を呼びましょう。


教えて!獣医さん
PROFILE
足立理良(あだちりら)●馬と小動物の獣医師として日本で2年半の臨床経験後、ワーキング・ホリデーで来豪。飛び込みで地元の動物病院の門を叩きワーク・エクスペリエンスで経験を積んだ後、ブリスベンやゴールドコーストの動物専門医センターで麻酔師として勤務。一般の相談にも個人的に対応している。Tel: 0433-445-813

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