第3回 膵炎(Pancreatitis)ってどんな病気 ?

教えて!獣医さん
痛みのために体を弓なりに曲げるワンちゃん

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大切なペットを病気や危険から守る方法

 膵臓が作り出す消化酵素などが自らを消化し炎症を起こす病気が膵炎です。あまり耳にしたことのない病気かもしれませんが、オーストラリアでは非常に発生率の高い病気の1つです。直接の原因は未だ不明ですが、肥満や脂肪分の多い食餌などが強く関係していると言われています。


 膵炎の症状には大きな幅があり、軽症例では症状すら認められないものから、重症例ではショック状態に陥り死亡するケースもあります。一般的には激しい痛みを伴い、犬では嘔吐や下痢、発熱などが多く認められます。猫では食欲不振と体重減少など慢性症状が多く、嘔吐は見られないこともしばしばです。つまりこの膵炎は、ごく一般に起こり得る病気で、症状は軽症から重症までさまざまであり、ひどい場合には死んでしまうという侮れない病気なのです。
 治療は電解質の補正、失われた水分の補給、痛みのケア、そして絶食なども必要となってくるので、専門家の監視の下での入院・点滴が必要です。
 この病気は普段食べない高脂肪・高栄養の食べ物を与えた後に頻繁に目にする病気で、特にクリスマスやイースター期間後に発生率が高まります。人間は自分で食餌を選べますが、ペットは選ぶことができません。イースター休暇前後のこの時季、特に食餌の種類と量を十分に注意し、与え過ぎないように気を付けましょう。予防策は何といっても食餌の改善です。高脂肪食の摂取による肥満は、人間同様にペットの万病のリスクも増大させます。どのように改善したらいいか分からない場合は動物病院に相談しましょう。
 なお、嘔吐、下痢、元気消失などは膵炎だけでなくさまざまな病気の可能性が考えられます。普段見られない異常が認められた時には自分で判断せず、重症になる前に動物病院で診察を受けましょう。


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PROFILE
足立理良(あだちりら)●馬と小動物の獣医師として日本で2年半の臨床経験後、ワーキング・ホリデーで来豪。飛び込みで地元の動物病院の門を叩きワーク・エクスペリエンスで経験を積んだ後、ブリスベンやゴールドコーストの動物専門医センターで麻酔師として勤務。一般の相談にも個人的に対応している。Tel: 0433-445-813

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