犬もダイエットさせた方がいいのでしょうか ?

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Q: 8歳になる雄のジャックラッセル・テリアを飼っています。先日知り合いに太っていると指摘されたのですが、犬もダイエットさせた方がいいのでしょうか?食べるのが大好きなので、食事の量を減らすのはかわいそうな気がします。
(32歳女性=主婦)

A: オーストラリアでは、飼い犬の30~40%が肥満であると言われています。
 少しコロコロしている方が可愛いから、おやつをねだられるとつい与えてしまう、忙しくてあまり遊んでやれない罪悪感から食べ物を余計にやってしまうなど、家庭で飼われている犬は簡単に太り過ぎになってしまう傾向にあります。
 しかし、肥満は人間同様に「万病のもと」でもあり、放っておけばやっかいな病気を引き起こしていまいます。

 

肥満が誘発する病例:
 糖尿病、椎間板ヘルニア、関節炎と言った長期で治療が必要になる病気が多く、心肺機能への負担もかかるため、普段から熱中症になりやすいことや、手術中の麻酔のリスクが高まるなどの弊害もあります。平均寿命も、肥満している犬では理想体重の犬と比べ2年半も短いことが研究で分かっています。

 

原因:
 食べ過ぎと運動不足が第1に挙げられます。ほかにも太りやすい体質や避妊・去勢手術の関係などもありますが、消費エネルギーを超えるカロリー摂取が一番の原因です。
 そして飼主の多くは自分の犬が太っていることに気付いていないことも問題の1つです。また、7歳より高齢になると基礎代謝も落ちるので、若いころと同じ量を与えていては太ってしまいます。

 

理想体重:
 犬種別の体重表もありますが、個々に合った体重は違います。判断は見て、触る方法が確実です。まず立っている犬を真上から見て、ウエストのくびれがあるか。次に肋骨付近を触って、皮膚の下にすぐ肋骨が触れるか。この2つをチェックします。

 

肥満の対処法:
 運動だけで減量するのはとても難しく、どうしても食事の見直しが必要になります。そして欠かせないのが、家族全員の協力です。

 

• 定期的な体重測定:1週間での減量の目安は体重の1~2%が適切で、それ以上の急な減量は大切な筋肉まで減らしてしまうので気を付けましょう。
• 食事の量:現在の食事量の80%に減らします。2週間後に体重を確かめ、変化がない、または増えていたらさらに10~20%減らしてみます。逆に体重が落ちすぎていたら5~10%増やします。犬は胃が満杯になることで満足感を覚えるため、食事の量を減らした分だけ、野菜など低カロリー食材でかさ増しするのもいいでしょう。
• 内容:普通食からダイエット用の低カロリー食、または減量目的の処方食(Hill’sr/d)に切り替えます。人間の食べ物は脂質、糖分、塩分を多く含むので基本的にはやらないでください。
• 回数:1日に食べる量を決めたら、それを最低でも2回に分けて与えます。
• おやつ:これも1日の給与量から取り分けておきます。リンゴや人参など、歯ごたえのある野菜や果物をやるのもいいでしょう。
• ダイエットには適度な運動も大切ですが、肥満している動物に急に運動させるのは心肺機能に負担をかけるので、無理をさせないことが大切です。

犬の体重を管理できるのは飼主だけです。犬の健康のためにも、くじけずにがんばってください。


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戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格取得に向けて勉強中。

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