ウサギの伝染病があるので予防注射をした方がいいと聞きました。

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Q: 今年初めてウサギを飼いました。オーストラリアには、ウサギの伝染病があるので予防注射をした方がいいと聞きました。どんな病気ですか?ほかにはどのようなことに気を付ければいいですか?
(33歳女性=主婦)

A: オーストラリアでは、ペットのウサギにカリシウイルス(Calicivirus)の予防接種を受けさせることが推奨されています。このウイルスは、兎ウイルス性出血病(Rabbit Viral Haemorrhagic Disease: RVHD)という致死率の高い感染症を引き起こします。
 19世紀に英国から持ち込まれたウサギが野生化し、大量繁殖により農業に膨大な被害を起こしたため、オーストラリアではウサギが害獣指定されています。その生息数をコントロールするためにこのRVHDウイルスが導入されました。2010年の2月にも、シドニー近郊の国立公園でウイルスの散布が行われています。このためペットのウサギには予防接種が欠かせません。

 

症状
 高熱と突然死が特徴です。潜伏期間は1〜3日で、致死率は90%以上とも言われています。急性例では食欲減退、元気消失、呼吸器症状、鼻出血、神経症状などが見られ、発熱後たいていの場合、12?36時間後に死亡してしまいます。生後4カ月以下のウサギでは、亜急性型の感染も見られ、発症後に自然治癒する場合もあります。

 

原因
 主として糞など排泄物に含まれるウイルスの経口・経鼻感染によります。ウイルスは、飼育者や器物、野生動物、昆虫などによっても媒介されます。ペットの場合、庭や室内のみで飼っていても、蚊やほかの昆虫に付いてきたウイルスで感染してしまうこともあります。

 

予防
 この病気は治療法がないため、予防接種で防ぐことが大切です。ワクチン接種されたウサギのほぼ100%が感染防御されます。生後3カ月以下のウサギは2回の接種が必要ですが、それ以降は1年に1回の接種で大丈夫です。健康診断もかねて、年に1度受診することをお薦めします。

 

病院で見るウサギの病状/症状から、家庭での飼育で注意してほしい点
・湿性皮膚炎。糞尿が陰部や下腹のたるみに付いたままだと、皮膚炎を起こします。ひどい場合はウジがわいてしまうこともあるので、お尻が清潔に保たれているか確認してください。年を取って毛繕いをあまりしなくなったウサギは、特に気を付けてください。
・固形飼料の与え過ぎ。ウサギは健康な歯と消化器官を保つために多量の繊維質を必要とします。固形飼料は炭水化物が多く繊維質が少ないため、肥満や歯の伸び過ぎにつながるだけでなく、腸の動きも鈍くなり体調を崩す原因にもなります。ウサギの主食は干し草(牧草)と新鮮な野菜であるべきです。水分の多い葉もの(レタスなど)は食べ過ぎると下痢をするので、注意が必要です。
・熱中症による突然死。ウサギは基本的に寒さに強く、暑さと湿気に弱い動物です。普段外飼いでも、真夏日はクーラーの効いた室内に入れるか、十分に日陰のある場所を用意してやってください。

 

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 今年も毒ダニ(paralysis tick)の季節がやって来ました。ペットのダニ予防を忘れないように気を付けてください。
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日豪プレス何でも相談

 
戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格取得に向けて勉強中。


*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9283-7646)、または郵送で「日豪プレス編集部・なんでも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答は致しませんので、ご了承ください。

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