犬の核膜にできた潰瘍

Q 飼い犬が急に目の片方だけをショボショボさせ、元気もなかったので、病院で診てもらったら目の角膜に大きな潰瘍ができていました。軟膏だけで治るのでしょうか? 失明しないか心配です。
(45歳主婦=女性)

 

A 角膜潰瘍(Corneal ulceration)は犬や猫でよく見られる目の疾患です。角膜は目の“黒目”の部分を覆っているドーム状の透明な膜で、何らかの理由で角膜が傷付けられると、表面の組織が欠損して潰瘍が生じます。犬では特に眼球が突出しているシーズーやキャバリアなどの犬種でよく見られます。

原因

角膜潰瘍は強い痛みを伴うため、脚で目をこすったり、目を閉じたままにしたり、瞬きを多くしたりと、痛む目を気にする動作を取るようになります。痛みのための食欲減退や、光を避けて外に出たがらないなどの行動も見られます。涙も多くなり、細菌感染がある場合は目ヤニが黄緑色になります。場合によっては潰瘍部分が深く進行し、角膜に穴が開いて失明につながる危険もあります。

診断

潰瘍が小さく、浅い初期の段階では肉眼で判断することができないため、特殊な色素で角膜の表面を染色します。炎症が悪化すると角膜が白く濁ったり、炎症部分が盛り上がったりしてくるのが確認できます。また炎症を治そうと、白目の方から血管が伸びてくる血管新生も見られます。

治療

軽い外傷による潰瘍は抗生剤入りの点眼薬で1週間以内に治ります。異物や逆さまつげが原因の場合は、もちろんそれらを取り除かなければ良くなりません。治癒が遅い場合や悪化する場合は、点眼薬だけでなく、不健康な角膜組織を取り除く外科処置が必要になることもあります。再生する角膜組織を保護するため、一時的にコンタクトレンズの装着や、まぶたを縫い合わせる処置を行うこともあります。

予防

外傷性の角膜潰瘍は早期発見と早期治療ができれば、ほとんどは問題なく治ります。しかし処置が遅くなると治療に時間がかかり、角膜への色素沈着や最悪の場合は失明などの後遺症が残ってしまいます。目の異変に気付いたら、すぐに病院で診察を受けてください。非外傷性の潰瘍の原因になるウィルス性疾患は、ワクチンで予防できるものもあるので、子犬、子猫の予防接種を怠らないようにしましょう。


戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格を保持している。

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