シーズーの慢性皮膚炎でいい治療法は?

Q 5歳になるシーズーを飼っていますが、小さいころからよく皮膚炎になり病院でアトピー性皮膚炎だろうと言われました。かゆいため、いつも足を噛んでいるので毛がほとんどありません。処方された薬をあげると少しはマシになりますが、やめるとまたかゆがります。何かいい治療法はないのでしょうか。
(35歳学生=男性)

 

A アトピー性皮膚炎(Atopic Dermatitis)は遺伝的な要素を含む皮膚疾患です。アトピー体質の犬は全体の3〜15%と言われますが、中でもテリア系、シュナウザー、シーズー、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール、ジャーマン・シェパード、ボクサーなどの犬種に多くみられます。

 

症状

主な症状は激しい皮膚のかゆみ、特に足の先端、耳、口の周りから症状が出始めます。

3歳までに発症することが多く、最初は足を舐めるだけといった軽い症状が年を追うごとに悪化し、全身のかゆみを伴うようになります。

感染症にもかかりやすくなるので、外耳炎や膿皮症などの2次的な皮膚疾患を引き起こします。常に皮膚を噛んだり掻いたりしているため、毛が薄く皮膚は分厚くなってきます。

原因

犬のアトピー性皮膚炎は今も解明が続く、さまざまな要因を含む複雑な病気です。現在分かっている要因は大きく3つに分けられます。

(1) アレルギーの原因物質、アレルゲンの存在──ハウス・ダスト・マイト、カビ、花粉など。

(2) 皮膚のバリア機能(防御力)の低下──アトピー犬は皮膚の保湿成分であるセラミドが通常より少ないため皮膚が乾燥しやすく、それによりアレルゲンの侵入がしやすい。

(3) アレルゲンに対する免疫機能の過剰反応──アレルギー性皮膚炎の発症。

どの要因も解決することが困難なため、治療も難しくなってしまいます。

診断

アトピー性皮膚炎専用の検査はありません。まずノミ・アレルギーや食事アレルギー、ダニやマラセチア感染症などの症状が似ている病気を除外します。その上で病歴や症状、薬への反応をみながら総合的に判断します。

治療

アトピーは遺伝的な体質なので、残念ながら完全に体質を正常にする治療法はありません。そのため「完治」はなく「管理」を目標に、うまく病気と付き合っていく覚悟が必要です。

アトピー性皮膚炎の治療は薬物療法が基本となります。炎症やかゆみを抑えるための対症療法と、免疫抑制剤やアレルゲンを少しずつ接種する減感作療法などで身体の免疫機能を整える治療を組み合わせると一番良い結果が望めます。同時に環境内のアレルゲンを少しでも減らすため、こまめに寝具の洗濯、掃除機かけ、除湿や換気を心がけましょう。

そして大事なのが弱っている皮膚のバリア機能を改善させるために皮膚の保湿を欠かさないことです。シャンプーは保湿成分が配合されているものを選び、コンディショナーと保湿用クリームの使用も忘れないようにしましょう。


戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格を保持している。

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