リンデ・イヴィメイ(Linde Ivimey)の「ZUCCA 2021」/アート通信

ルーシーのアート通信

オーストラリアのアート業界で活躍中のコラムニスト・ルーシーが
オーストラリアを中心に活躍するアーティストと彼らの作品をご紹介。

第24回 リンデ・イヴィメイ
(Linde Ivimey)
「ZUCCA 2021」

Tittle: ZUCCA 2021 by Linde Ivimey
Steel armature, natural and cast bird & snake bones, dyed cotton, suede leather, natural fibre, wine collars, teeth, H32.0 x W46.0 x D 31.0cm
Courtesy of the artist and Martin Browne Contemporary, Sydney
Tittle: ZUCCA 2021 by Linde Ivimey
Steel armature, natural and cast bird & snake bones, dyed cotton, suede leather, natural fibre, wine collars, teeth, H32.0 x W46.0 x D 31.0cm
Courtesy of the artist and Martin Browne Contemporary, Sydney

 リンデ・イヴィメイは「頭は動物、体は人間」という一見不気味さを感じる造形作品を作る、オーストラリアの現代芸術家だ。主に繊維、髪の毛、木、家庭のほこりや糸くずなどリサイクルされた廃棄物を使用し、人間と動物のハイブリットを表現している。その中には彼女が調理して食べた動物の残骸も含まれている。
「Zucca」はイタリア語で「頭」と「カボチャ」を意味し、同時にイディオムでは「常識がないこと」を意味する。

 彼女の作品は、部族の文化によって作成された呪物崇拝や、初期のキリスト教に関連する聖人の生活からインスピレーションを得ている。彼女はトーテム的、すなわち「人間集団がある特定の動植物と特別な関係を持つ」と考える信仰に基づいて作品を作るが、全ての作品は彼女自身の生活とも深く関連しているという。

 人間のような造形をベースにした生き物からは、多くの物語やさまざまな種類のキャラクターを想起させられる。その作品のベースには不治の病やうつ病への恐れ、また、離婚や子ども時代への言及など、彼女の自伝的な要素もまた含まれている。作品には「可愛さ」と「怖さ」、「甘さ」と「恐ろしさ」など、真逆の要素が一体化されているような印象もあり、どちらの感情においても、無視することが難しい強いインパクトを与えられる。

 10年前にはまだ無名で余暇の際に制作へ没頭、普段はケーキを作ることで生計を立てていた彼女だが、過去数年間で、オーストラリア現代美術の一種、ゴシック・リバイバルをリードする芸術家へと名乗りを上げた。

「2020年は世界に閉じ込められた気分であると同時に時間を得た年でもあった。掃除をすることで何年も前の資料を多く発見することもでき、ある意味で貴重な時期だった。これらの発見が現在の作品制作にもつながっている」とイヴィメイは話す。

 彼女の作品は、ビクトリア国立美術館やクイーンズランド大学美術館、オーストラリア国立美術館など公共ギャラリーはもちろん、個人のコレクターからも人気を集めている。今回のMartin Browneでのエキシビジョンは2021年4月1日〜25日まで開催。今年は更に2つの個展と、ゴールドコーストのHOTA(ホーム・オブ・ザ・アーツ)を含む2つの美術館でのエキシビジョンを控えている。

Martin Browne Contemporary
Web: www.martinbrownecontemporary.com
Instagram / Facebook: @martinbrownecontemporary

このコラムの著者

ルーシー・マイルス

ルーシー・マイルス(Lucy Miles)

オーストラリアと日本のアート業界で25年以上の経歴を持つ。グリフィス大学で美術学士、クイーンズランド大学では美術史の優等学位を取得。現在、サウスポートを拠点にファイン・アート・コンサルタントとして活躍中。
■Instagram: @lucymilesfineart
■Web: www.lucymilesfineart.org
■Email: info@lucymilesfineart.org

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