QLDで安全・快適ライフ/家庭内暴力(ドメスティック・バイオレンス)②

QLDで安全・快適ライフ

警察とコミュニティーをつなぐ日本人ポリス・リエゾンが、クイーンズランド州で安心な生活を送るためのアドバイスや安全情報をお届けします。

第55回 家庭内暴力(ドメスティック・バイオレンス)②

QLD州では、ドメスティック・バイオレンス(=DV)とは配偶者やパートナー、家族または介護者(賃金が発生しない)によって、相手をコントロールするためにもたらされた暴力や虐待行為を意味します。暴力のない生活というのは道徳的価値観での基本的な人権です。

テクノロジーとは?

テクノロジーの進歩には目を見張るものがあり、とても便利になりました。しかし、危険とも背中合わせです。DV被害者の中には、テクノロジーに関連した以下のような事例があります。

【事例1】AさんはDVに悩んでおり、体調不良からGPの診断を受け、カウンセリングを受けるように言われました。カウンセリングを受けに行くことは、夫には内緒にしていました。しかし帰宅すると、カウンセリングに行ったことや、そこで何を話したのかまで夫に知られていました。もちろんカウンセラーが話したのではありませんでした。
 実は携帯電話のアプリで、電話を掛けなくても周りの会話を第三者が聞けるアプリがあり、それを利用していたのです。カウンセリングやDVに関する相談をする場合は、事前に携帯電話のスイッチを消しておく必要があるでしょう。サイレント・モードではダメなようです。

【事例2】Bさんは家を離れて別居しており、相手に住所も娘の幼稚園も知らせていませんでした。しかし、相手は娘の幼稚園を特定して迎えに来たのです。幼稚園からの報告で、慌てて裏口から子どもの受け渡しをして事なきを得ましたが、実はBさんの車内に忍ばせた携帯電話のGPS機能を利用し、幼稚園を特定したようでした。

このようにテクノロジーを駆使してのDV事例が多くなっています。またコンタクト方法も、メールを使わずにメッセージを後から消去できるLINEなどのSNSを利用する場合が多くあります。相手からのメッセージは画面をスクリーンショットで保存し、証拠を残しておくと良いでしょう。

■台風・山火事シーズンが到来

 日本でも年々台風の激しさが増し、豪州では今年、QLD州で大規模な山火事が発生しました。被害の規模は大きくなりつつあります。どこで何が起こるか分かりません。少なくとも3日間は、水道、電気、ガスがない場合でも生活できるように準備し、随時緊急放送や、市役所などのウェブサイトにアクセスして情報を収集しましょう。洪水が発生している場所には、絶対に近づかないようにし、豪州の災害対応のシステムを理解して避難所へ素早く行けるようにしましょう。なお、12月5日(木)の午後5時30分より、ゴールドコースト・メトリコン・スタジアムを会場に無料の防災情報セッションが開催されます。


平野尚道
クイーンズランド州警察ゴールドコースト地区・日本担当リエゾン・オフィサー。ゴールドコースト日本人会の会長職を8年務める。移民サポート非営利団体MCCGCにて異文化育成担当として9年勤めた後、州警察のリエゾン・オフィサーに就任。現在、日本人コミュニティーと警察の架け橋として活動中。2009年に在ブリスベン日本国総領事館より在外公館長表彰、14年にゴールドコースト市オーストラリア・デー文化功労賞を受賞

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