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オーストラリアの個人資産が溶けていく… 不動産価格下落と利上げ背景に1年で3%減少

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株価下落で確定拠出年金「スーパー」資産も7%弱減

 オーストラリア統計局(ABS)によると、2022年12月四半期の家計部門の総資産は14兆4,000億豪ドル(約1,254兆円)と前期比で0.4%減となり、3四半期連続で前期を下回った。前年同期比では3.0%減少した。

 ABSの金融・資産部門の責任者を務めるミッシュ・タン氏は声明で「金利上昇によって家計の借り入れ能力が低下し、需要が縮小したため、住宅価格が下落したことが大きい」と分析した。

 住宅用の土地と建物の資産価値は、9兆2,000億豪ドルと前年同期比で3.9%減少した。21年12月期と比べて3,740億豪ドルが失われた。

 金融資産の損失も積み上がっている。積み立て型の確定拠出年金「スーパーアニュエーション」(スーパー)の資産は、前年同期比で6.7%減少した。年金基金が運用する国内と海外の株価は、コロナ禍の金融緩和時の高値を大幅に下回る水準で推移している。ただ、低迷していた株価が年末にかけて上昇に転じたため、前期比では3.6%増加した。

 一方、家計の預金残高は過去最高の6,233億豪ドルに達した。タン氏は「銀行の預金金利が上昇したため、定期預金に貯蓄する動きが加速した」と指摘している。

■ソース
Household wealth declined 3 per cent through the year(Australian Bureau of Statistics)

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