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「日本は自然な候補」とアルバニージー豪首相 米英豪の安保枠組みオーカス「第2の柱」めぐり

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参加国の拡大には否定的

米攻撃型原子力潜水艦「バージニア級」の10番艦「モンタナ」。バージニア級はオーカスの枠組みの下で2030年代初頭にオーストラリアに提供される予定だ(Photo: U.S. Navy/Ashley Cowan)

 中国を念頭に置いた米英豪の安保枠組み「オーカス」(AUKUS)をめぐり、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は9日、先端技術分野の協力に関する「ピラー2」(第2の柱)への第3国の関与を検討する上で、日本が候補となるのは自然の流れだとの見解を示した。一方、オーカスの参加国拡大については否定した。

 アルバニージー首相がリチャード・マールズ副首相兼国防相とキャンベラの連邦議会で行った共同会見で、記者の質問に答えた。「日本をオーカスに引き込む案について、中国は強い懸念を表明している。中国との関係改善とオーカスの拡大をどのようにバランスを取るか?」との質問に対し、首相は「それは話が違う。(米英豪で)提案されているのは、オーカス第2の柱のひとつひとつのプロジェクトについて(他国の)関与があるとすれば、日本が候補になるのは自然だということだ」と述べた。

 また、アルバニージー首相は、2023年8月に発効した日豪円滑化協定を例に挙げ「我が国はすでに日本との防衛協力の水準を引き上げている。海の防衛も日本と共同で運用している」と指摘した。その上で首相は「オーカスの第2の柱については、プロジェクト単位のアプローチとなる。オーカス参加国の拡大については、(米英豪の協議で)提案されていない」と明言した。

 オーカスと日本の関わりについては、米英豪が8日発表した共同声明で言及があり、注目を集めていた。3カ国の国防相は「日本の(防衛面での)強みと、3カ国と日本の緊密な2国間の防衛関係を認識し、オーカス第2の柱である先端技術分野のプロジェクトで日本との協力を検討している」と表明していた。

 オーカスは21年、通常兵器搭載の原子力潜水艦のオーストラリア配備計画を主眼に発足した。原潜配備に関する「ピラー1」と、先端技術協力の「ピラー2」の2つの柱で構成される。名指しこそしていないものの、アングロサクソン陣営の3カ国が連携して、海洋進出を加速させる中国を封じ込める狙いがあると見られている。

■ソース

Press Conference – Parliament House, Canberra(Prime Minister of Australia)

AUKUS Defense Ministers’ Joint Statement(U.S. Department of Defense)





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