始業から終業まで、他の州にも波及の見込み
VIC州の公立学校全校で始業ベルから終業ベルまでの間の時間、学校での携帯電話使用をいっさい禁じる措置を取ることが発表された。
ABC放送(電子版)が伝えた。
NSW州では小学校に限り、同様の措置を取っているがVIC州のようにすべての公立学校を対象にするようになることが予想される。しかし、これからはデジタル通信機器使用が基礎的な社会生活の条件になると考えられるため、適正な携帯電話の使い方を教育せず、一方的な禁止令を生徒に押しつけることに異論も出ている。
授業時間中の携帯電話使用禁止は、生徒を授業に集中させることとサイバーブリーイング防止を目的としているが、教師や生徒の間でも賛否が分かれている。
VIC州政権のジェームズ・マーリノ教育相は、「禁止令は州立の小学校と中高等学校すべてで2020年一学期より実施する。禁止令には反対も多いが正しい規則と信じている」と語っている。
携帯電話所持の生徒は始業ベルが鳴る前に携帯電話を学校のロッカーに納め、終業ベルが鳴るまで取り出してはならないが、医療上の理由、または授業で用いるため教師の特別の指示がある場合には教室に持ち込んでも良い。
マーリノ大臣は、「教師は、校内では子供達が会話を交わすことを望んでおり、携帯電話のキーボードを叩いて過ごすことを望んでいない。また、教師が子供達に携帯電話をしまいなさいとしばしば命じなければならない状態だ。禁止でサイバーブリーイングがなくなるわけではないが、少なくともサイバーブリーイングを減らすことができると考えている」と述べている。
しかし、VIC州中高等学校長会のスー・ベル会長は、「携帯電話を取り上げることだけでは電話の管理を自分で学ぶことにはつながらない。生徒達は宿題の締め切りや授業の教室や時間など重要な情報を携帯電話に入力するなど重要な理由を持っている。教師が生徒と対立するような状況を望んでいない。禁止を望む生徒もいるだろうが大半の生徒は望んでいない」と語っている。
■ソース
Mobile phones to be banned in Victorian state schools from ‘first to last bell’