出廷命令違反の市民500人の逮捕に法的疑惑
VIC州警察のProtective Services Officers(PSO)という仕事は鉄道公安官やイベントの警護など、市民に目立つ服装で任務に就き、捜査権、逮捕権なども持って社会の治安を守るという任務を帯びているが、完全な警察官の権限は持っていない。しかし、これまでに出廷命令を破った市民を逮捕する活動も行っており、昨年は500人にのぼる。現在、そのPSOの逮捕活動に違法性の疑いが持ち上がっている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
VIC州警察が明らかにした。
PSOは2011年に導入され、2014年からはVIC州鉄道でも警備活動を行うようになったが、VIC州警察が受けた法律解釈の諮問で、POSが市民を出廷命令違反だけで逮捕することは違法だとされた。
VIC州警察のボブ・ヒル地域警察活動担当副長官代理は、「問題になっているのはPSOの一日の逮捕件数のごく一部で一日1件か2件程度だ。2011年のPSO鉄道警察モデル発案を助けた当初の法律草案の中で起きた法律の齟齬だ」と語っている。
PSOは警備活動で逮捕も行っているが、VIC州警察によると、出廷命令違反の者を逮捕できるのは警察官に限られていることが明らかになった。
ヒル副長官代理は、「ただし、昨年PSOが執行した逮捕令状500件のほとんどはPSOが犯罪行為を現認して、合法的に逮捕した容疑者に関わっている。出廷命令違反逮捕令状執行はその合法的な逮捕に伴うものであることをはっきりさせておきたい」と語っている。
この法律の不備を補うため、法律が改定されるまでの期間、鉄道駅の警備ではPSOに警察官が随行し、逮捕が必要な時には警察官が逮捕令状を執行するという方法を取っている。
ダニエル・アンドリュー労働党州政府は警察と協力して法改定を急いでおり、2011年当時の自由党州政権の失策と指摘している。
■ソース
Hundreds of PSO arrests for people failing to appear in court in question after legal loophole discovered