中国人不動産開発業者から政治献金、後に返却
NSW州のグラディス・ベレジクリアン保守連合政権閣僚のジョン・シドティ・スポーツ大臣が自由党として不動産開発業者から$1,750の違法政治献金を受け取っており、後に返却しているが、同不動産開発業者の開発にシドティ大臣の家族が投資していたことが報道で明らかにされた。
これを受けて、グラディス・ベレジクリアン州首相は、シドティ大臣と不動産取引の一件の調査を命じた。
ABC放送(電子版)が伝えた。
NSW州政界では、労働党NSW支部が、既にオーストラリア入国ビザを取り消されている中国人不動産開発富豪から10万ドルの違法政治献金を受け取っており、しかもその事実をごまかすためにチャイナタウンの中華料理店の従業員らの名義で各$5,000の献金をしたように書類の偽装をしていたことが、腐敗摘発独立調査委員会(ICAC)の審理で次々と明らかにされている。
調査では、シドティ大臣が、個人的利益をもたらす機密情報を手に入れることができたかどうかも対象になるが、シドニー北西部の不動産開発の許認可決定との関係が知られている。
そのため、NSW州労働党は、ベレジクリアン州首相がシドティ大臣をICACに提訴しなければ、労働党が提訴すると迫っていた。
NSW州議会予算委員会の審理でシドティ大臣が証言し、一切の不正行為を否定したが、その後にベレジクリアン州首相は、「大臣としての利害の抵触の開示などの義務を果たしていたかどうか」などでシドティ大臣にかけられている嫌疑」の調査を命じた。
シドティ大臣は、2015年に中国人不動産開発業者のミン・シャン氏から自由党に宛てて政治献金を受け取っていた。自由党はこの金を2019年9月11日まで返却していなかった。NSW州法により、不動産、タバコ、賭博などの業者の政治献金は禁じられている。
ミン氏の会社は最近開通したメトロ・ウェスト鉄道のラウズ・ヒル駅付近に7,000万ドルの高層アパートメント・ビルを建てており、シドティ議員は当時建築許認可を管理する計画省の政務次官を務めており、しかも、家族の会社、JAFS Investment Trustを通じて、この高層アパートメント・ビルに10%の利害関係があることを届け出ている。また、同ビルへのアクセス道路建設認可についてもシドティ大臣が関わっていたとの嫌疑が出されている。
■ソース
NSW Premier Gladys Berejiklian orders investigation into Sports Minister John Sidoti over property deal