3月失業率は4.3%、前月と変わらず

オーストラリア統計局(ABS)が16日発表した3月の雇用統計によると、失業率は4.3%(季節調整済み)と前月と変わらなかった。就業者数は1万7,900人増加した。フルタイム就業者数が5万2,500人増えた一方、パートタイムが3万4,600人減った。失業者数は3,700減少した。労働参加率は66.8%と0.1ポイント低下した。
ロイター通信によると、雇用市場の底堅さが確認されたことで、市場が織り込む0.25ポイントの利上げ確率は68%と雇用統計発表前の水準を維持した。中央銀行・豪準備銀(RBA)は5月4〜5日に金融政策を決める会合を開く。RBAはイラン攻撃の前からじわじわと再燃しているインフレを抑えるため、今年に入り2回利上げを行い、政策金利を4.1%に引き上げている。
ただ、利上げは諸刃の剣となる可能性がある。ホルムズ海峡封鎖の影響が実体経済に波及するのは、これからだとの観測が支配的だ。ロイターは「新規就業者数はほぼ市場予測に沿ったもので、失業率も低水準を維持した。しかし、戦争による世界的なエネルギーショックは、近いうちに雇用市場の力強さを試すことになりそうだ」と指摘した。
企業の景況感と消費者マインドはコロナ禍以来最低
労働需給が依然としてひっ迫しているとの観点から、RBAが追加利上げに踏み切る公算は高いと見られる。だが、エコノミストの多くは、利上げと中東情勢の影響で景気は今後、下り坂に向かい、雇用情勢が軟化すると見ている。
景気の先行指標となるナショナル・オーストラリア銀の企業景況感指数と、ウェストパック銀・メルボルン研究所の消費者信頼感指数(いずれも14日発表)は、ともにコロナ禍以降で最も低い水準を記録した。エネルギー供給ショックによる景気悪化を先取りした格好だ。
インフレと景気後退が同時進行する「スタグフレーション」を覚悟の上で、RBAは金融引き締めを続けられるのか。難しい舵取りを迫られている。
オーストラリアのエコノミストが、主なメディアに述べたコメントは次の通り。
資産運用会社バンエックの投資・資本市場部門責任者・ラッセル・チェスラー氏(ロイター通信)
「オーストラリアの労働市場は、今のところまだ持ちこたえている。しかし、原油価格上昇の影響が経済全体に波及し始めるにつれ、4月の雇用統計はまったく異なる様相を呈する可能性がある。すでにカンタス航空とヴァージン・オーストラリア航空が減便した。こうした傾向が続けば、コスト削減策や雇用喪失につながる恐れがある」
ウエストパック銀エコノミスト・ライアン・ウェルズ氏(公共放送ABC電子版)
「『嵐の前の静けさ』かもしれない。中東ショックや最近の利上げの影響が労働市場の指標に表れるのはまだ早い。むしろ、本日発表された(雇用統計の)データは、労働市場がこれらの要因の影響を受ける前のスタート地点を示している」
◼️ソース
Unemployment rate remains at 4.3% in March(ABS)
Australia’s jobless rate stays low in March but Iran war risks loom(Reuters)
Unemployment rate remained at 4.3pc in March, in ‘calm before the storm’(ABC News)