高齢女性の死とは無関係」と警察 昨年9月にもオプタスで同様の不具合

家族や友人が急病で倒れた時、事故で重傷を負った時、救急車を呼んでも電話がつながらない恐怖を想像してみたことがあるだろうか? オーストラリア各地で8日、通信最大手テルストラの通信網に大規模な障害が発生した問題で、同社のビッキー・ブラディー最高経営責任者(CEO)が10日、会見を行った。公共放送ABCによると、ブラディーCEOは「私たちの顧客と国民をがっかりさせたことを深く陳謝したい」と謝罪した。
テルストラによると、通信障害は8日午前4時30分、同社の携帯ネットワークとデータ通信で初めて探知された。不具合は全国の広い範囲に拡大し、警察・救急・消防の緊急電話番号「000」(トリプルゼロ)がつながらないケースが発生した。同社の通信網を使う鉄道の運行も乱れ、電子決済もできなくなった。不具合の大半は同日午後4時ごろまでに復旧したが、一部の障害は9日まで続いた。
トリプルゼロにつながらないケースが相次いだことについて、同CEOは「きわめて深刻に受け止めている。私たちには(緊急電話番号の発信に)確実に応答があり、即座に転送されるために全力を尽くす責任がある」と述べた。原因はサイバー攻撃ではなく、技術的な不具合とされるが、再発防止に全力で取り組む姿勢を強調した。
ABCによると、南オーストラリア州では、緊急電話に繋がらなかったことが、高齢女性の死につながったとの疑いが浮上した。しかし、テルストラは関連を否定した。南オーストラリア州警察も、捜査の結果、女性のパートナーが電話した隣人が、電話で救急車を呼び、いずれの発信もつながっていたことが分かったと説明した。女性はその後、搬送先の病院で死亡した。
アニカ・ウェルズ連邦通信相によると、通信障害の影響で緊急電話をかけられなかったと見られる144の事例のうち、9日夜までに安否確認が取れなかったのは13件にとどまるという。
オーストラリアでは昨年9月にも、通信業界2位のオプタスのネットワークで通信障害があった。1年以内に2度も生死にかかわるトリプルゼロの通信障害が発生したことは、オーストラリアの通信インフラの脆弱性を露呈した形だ。
オプタスの通信障害では、トリプルゼロにつながらなかった顧客のうち、生後8週間の幼児を含む3人の死亡が確認された。電話がつながって救急車を呼べれば、助かっていた可能性があった。社会問題となってオプタスへの批判が高まり、当時のケリー・ベイヤー・ロズマリンCEOが事実上の引責辞任した。
今回のテルストラの通信障害発生時、ブラディーCEOは家族で欧州旅行中だったため、急きょ帰国したという。通信障害のため同CEOも旅行先から本社と電話で話すことができず、インターネット回線を通してビデオ通話アプリのティームズで連絡を取ったとしている。
■ソース
Live: Telstra should ‘face the music’ over outage, minister says(ABC News)
Media Releases(The Hon Anika Wells MP, Minister for Communications, Minister for Sports)