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豪軍宇宙司令官「我が国は宇宙軍事技術で遅れ」

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宇宙技術先進国の中露との緊張関係激化に対応

3月22日付ABC放送(電子版)は、オーストラリア国防軍初の宇宙司令官、キャサリン・ロバーツ氏が、「オーストラリアは敵国人工衛星を撃墜する技術を急いで開発しなければならない」と語ったことを伝えている。

ロバーツ豪軍宇宙司令官は、「中国、ロシアが既に人工衛星を撃ち落とす能力を備えており、今後ますます拡大する宇宙軍事の分野でオーストラリアが大きく遅れていることが不安だ」と語っている。

両国は既に地球周回軌道上の物体を標的にミサイルを命中させる実験に成功しており、将来、戦術的に敵国の偵察衛星や通信衛星を破壊することもあり得る。

同日、豪陸海空三軍が協力する宇宙軍事部局、国防宇宙コマンドが発足し、ロバーツ空軍少将が司令官に就任し、キャンベラで開かれた航空宇宙会議において記者会見に臨んだロバーツ司令官は、「ようやく待ち望んでいた国防宇宙コマンドが実現したことは喜ばしい」と語っている。

キャンベラに新設されたこのコマンドは100人を超える職員を擁し、国防軍は、何百キロか上空を周回する敵国軍事資産を物理的に、または非物理的に取り除く技術の開発に着手している。この宇宙コマンドの職員は、陸海空三軍から集められており、大気圏外軍事技術の開発を進めることになっている。

中国は2022年1月に中国の人工衛星SJ21が同国の他の人工衛星をその周回軌道から取り除くことに成功しており、アメリカとその同盟国が一気に警戒心を強めている。また、2021年11月にはロシアが対衛星ミサイルを発射して旧型の人工衛星を破壊しており、いよいよ人工衛星破壊技術が実用化段階に入ったとして世界を驚かせている。

また、ピーター・ダットン国防相は、「ドナルド・トランプ米大統領が創設したような宇宙軍をオーストラリアも必要とするようになるだろう」と語った。また、この日に立ち会ったジェームズ・ディキンソン米宇宙軍司令官は、「アメリカの同盟国が世界中に存在し、その能力を活用することが必要であり、オーストラリアは地理的に重要な位置にある」と語った。
■ソース
Space commander ‘scared’ Australia lagging in military space capability, as Russia and China reach for the stars

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