中立公正法定機関の副委員長が選挙応援ポスター

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フライデンバーグ財相の選挙運動でまた問題

 メルボルン市クーヨン選挙区から出馬しているジョシュ・フライデンバーグ現保守連合財相の選挙運動では、先に盲導犬団体のカレン・ヘイズCEOがフライデンバーグ候補の選挙出版物で同候補支持を表明したことが「政治的中立」を規律とする同団体が内部調査を始め、CEOが辞任した。さらに、同候補は自分の選挙出版物にボーイスカウトと写っている写真を用いたため、ボーイスカウトから抗議を受け、写真を削除する結果になった。さらに、選挙運動中に、対立候補のモニク・ライマン無所属候補の母親から話しかけられ、「娘ではなく、フライデンバーグ候補を支持していると言われた」と選挙演説に利用したため、ライマン候補から批判を受けるなど、問題が度重なっている。

  5月18日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、モリソン保守連合連邦政権の「政治家の天下り人事」で中立公正であるべき法定機関「行政控訴審判所(Administrative Appeals Tribunal)」のカレン・サイノン副委員長が自宅の塀にフライデンバーグ選挙ポスターを掲げていたことが発覚し、問題になっている。サイノン氏は2019年の選挙でも自由党候補を支持する発言で問題になったことがある。

 現保守連合連邦政権の保守連合政治家天下り人事はよく知られており、ジョン・ハワード政権時代には非選公職の6%に過ぎなかった天下りが2013年以降は32%にのぼっている。

 行政控訴審判所は政府の決定に不服のある時に審理を求める機関であり、サイノン元自由党上院議員は年50万ドルの高給職に任命されているが、AATの行動規範は、「偏向判断を防ぐため、委員は公私を問わず中立の行動を守らなければならない」と規定している。

 サイノン副委員長は、「選挙ポスターは夫が掲示を認めたものであり、私は関与していない」旨の声明文を発表している。しかし、2019年の選挙でも、サイノンAAT副委員長は、フライデンバーグ選挙ポスターと並んで写った自分の写真をソーシャル・メディアに掲載して注意を受け、写真を削除した事実がある。

 サイノン氏は1997年に臨時委員の空席を埋め、1999年に連邦議会自由党上院議員に就任している。また、2001年にはパートタイムの委員に就任した。さらに、2020年12月、保守連合政権は、同氏を3年任期の副委員長に任命、2022年4月には連邦政府のミカエリア・キャッシュ法務長官がサイノン氏の再任を発表し、任期が2027年5月まで伸びている。

 連邦上院予算委員会に複数のAAT職員が喚問され、「サイノン氏の副委員長任命に当たって適正な面接が行われたか、また、審判所がサイノン氏人事を支持したのか?」と質問されたが、返答を拒んだと記録されている。
■ソース
Political tribunal appointee in hot water over Frydenberg election sign

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