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オーストラリア改憲法案が可決・成立 先住民の地位明文化の是非を問う国民投票、年末までに実施へ

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与党労働党などが賛成、最大野党の保守連合は反対

オーストラリアの先住民、アボリジニの旗(Photo: Wikipedia)

 オーストラリア先住民の地位を明文化する憲法改正を発議し、国民投票でその是非を問う「2023年連邦憲法改正法案」の採決が19日、連邦上院で行われ、与党の中道左派・労働党などの賛成多数で可決した。同法案は既に下院を通過しており、成立した。法案成立の2カ月後から6カ月以内に国民投票を実施し、改憲の是非を問う。

 公共放送ABC(電子版)によると、アンソニー・アルバニージー首相は10月に投票日を設定する見通しだという。

 改憲案では、オーストラリア憲法(8章128条)の末尾に、第9章「アボリジニおよびトレス海峡島しょ民の認識」を追加。第9章129条に、これらの先住民が「最初のオーストラリア人」(ファースト・ピープルズ・オブ・オーストラリア)であることを明記するとともに、先住民問題に関する意見を議会と連邦政府に反映させる機関「ボイス」を新設する。

 法案をめぐっては、与党のほか野党の左派「グリーンズ」(緑の党)などが賛成した。野党の中道右派・保守連合の最大勢力である自由党は、先住民が「最初のオーストラリア人」であるとの記述については支持するものの、ボイスの設置と改憲案自体には反対した。ただ、「影の内閣」の議員以外には党議拘束をかけなかったため、下院の採決では自由党議員21人が賛成に回った。

 先住民の地位をめぐる改憲は、昨年5月に発足したアルバニージー政権の主な公約の1つ。実現すれば、欧州人の入植者による侵略と迫害を事実上認めるオーストラリア史の大きな転換点となる。ただ、世論調査では支持と不支持の差が縮小する傾向が見られ、政権の思惑通り改憲に必要な過半数の支持を得られるかどうかは見通せない。

 シンクタンク「オーストラリア・インスティテュートが昨年7月に実施した世論調査によると、改憲を支持すると答えたのは65%、不支持が14%、分からないが21%だった。一方、世論調査会社「ニューズポール」が6月に公表した最新の調査では、改憲を支持は46%、不支持は43%と拮抗しつつある。

 オーストラリアで改憲の国民投票が実施されるのは1999年以来24年ぶり。前回は、英国王を国家元首とする現行の立憲君主制を廃止し、オーストラリア人の元首の下での共和制への移行の是非を問うたが、反対多数で否決されている。

■ソース
Senate passes referendum plan, cementing Voice to Parliament vote before end of the year(ABC News)

Constitution Alteration (Aboriginal and Torres Strait Islander Voice) 2023





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