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トウガラシが認知症の予防に効くって本当? オーストラリアの研究チームが臨床試験へ

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3カ月間、40人対象に調べる

 オーストラリアの大学が8月末、トウガラシに含まれる有機化合物「カプサイシン」(化学式:C18H27NO3)に認知症を予防する効果があるかどうかを確かめるため、臨床試験を始める。公共放送ABC(電子版)が伝えている。

 臨床試験を行うのは、同国クイーンズランド州南東部トゥウーンバにあるサザン・クイーンズランド大学(USQ)の研究チーム。トゥウーンバと近隣のイプスウィッチで12週間、40人の患者にカプサイシンの健康食品とプラシーボ(偽薬)を飲ませ、認知機能などを調べる。

 USQのエドワード・ブリス博士がABCに述べたところによると、これまでの動物実験ではカプサイシンが認知症を抑制する効果が確認されたという。脂肪分と糖分を大量に与えたネズミに16週間、カプサイシンを与えたところ、体重が減少し、心臓と血管の炎症が抑制された。その結果、認知と記憶能力が改善し、アルツハイマー病の因子の出現が抑えられたとしている。

 ブリス博士は「(臨床試験は)最初の第一歩となる(臨床応用の可能性を探る)実現可能性調査です。これまで、中国でトウガラシの消費量と認知の関係性を調べた研究が行われた例があるだけです」と語った。





「運動と健康的な食生活を心がけて」と専門家

 一方、認知症患者の支援を行っている団体「ディメンシア・オーストラリア」で医療アドバイザーを務めるマイケル・ウッドワード准教授(USQの研究には参加していない)によると、オーストラリアではウコンの認知症抑制効果に関する研究も行われており、「(トウガラシを含む)これらの植物が脳の機能に影響を与えるかもしれないという考え方は、必ずしも新しいものではありません」と述べた。

「もしトウガラシが認知症(の予防)に効果があれば、(トウガラシの消費が多い)インドなどでは認知症の発症率が低いと思うかもしれませんが、実際はそうではないようです。しかし、国によっては、認知症を予防するのに効果的な運動が不足しているとも考えられます」(ウッドワード准教授)

 同准教授によると、◇週5日、1日40分の運動を行うこと、◇健康的な食事を採ること、を人生の半ばから実践すれば、認知症の発症リスクは40%減らすことができるという。

■ソース
University of Southern Queensland study to probe impact of capsaicin on dementia(ABC News)





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