2020年4月 ニュース/コミュニティー

オーストラリアの日系コミュニティー・ニュースをお届け!

Japanese Community News

オーストラリアにおける日系コミュニティーのニュースや最新情報を紹介していくと共に、シドニーを中心に各地で行われるセミナーやイベントの告知や報告などを掲載。

八尋恆存の東京五輪内定

豪代表・空手組手で

今年、欧州の大会に出場した八尋選手(写真提供:© JKFan/Web: jkfan.jp/webmaga
今年、欧州の大会に出場した八尋選手(写真提供:© JKFan/Web: jkfan.jp/webmaga

7月から開催される東京五輪の空手競技の1つである組手・75キロ級のオーストラリア代表に、八尋恆存(やひろつねあり)選手の出場が3月、内定した。

出場が決まった八尋選手は、1987年に日本で生まれ、1歳でオーストラリアに移住。8歳から空手を始め、オーストラリア代表チームとして初出場したジュニア世界大会で3位入賞を果たした他、年2回開催されるオーストラリアの全国大会でも、国内及びオセアニアでの連勝最多記録となる15連覇を果たすなど、これまで圧倒的な存在感を見せてきた。

3月半ばにモロッコで開催予定だった組手の五輪選考の最終試合が新型コロナウイルスの影響で中止になり、五輪ランキングのこれ以上の変動がなくなったことで、現在の五輪ランキング上位4人と開催国である日本代表の選手の東京五輪出場が内定した。同時に、世界ランキング19位(3月20日現在)、オセアニア大陸のランキング1位の八尋選手は、1枠のみの大陸代表枠での東京五輪出場が事実上内定した形となった。正式決定の発表は4月の見通し。

残りの出場枠は、6月末に開催される五輪最終選考試合と各大陸のトップ・ランキングによって決定される。ただし新型コロナウイルスの影響で同選考会が中止になる可能性もあり、世界空手道連盟(WKF)は万が一最終選考試合が開かれなかった場合に備えて別の選考方法を4月1日までに国際オリンピック委員会(IOC)に提出しなくてはならない状況だ。

8メートル四方の競技場で2人の選手が1対1で戦う組手は、空手の技の意味を正確に表現する演舞である「形(かた)」と並んで、今大会に向けて新たに追加された開催国・日本発祥の競技種目として注目されている。

八尋選手に祝いの書を贈呈する書家・れん氏(右)
八尋選手に祝いの書を贈呈する書家・れん氏(右)

WFK主催の組手の世界大会が男女共に5階級制であるのに対し、東京五輪では一部の階級が統合され、選手は3階級制で戦う。八尋選手は元々67キロ級だったが、五輪出場に向け階級変更を決め、75キロ級に照準を絞って活動してきた。出場内定を受け同選手は、「応援してくださる皆さんに良い報告ができ安堵しているが、目標はメダル。ここで気を抜かずに日々努力し、五輪という最高の舞台で最高のパフォーマンスを発揮したい。7月に向け試合が少なくなる数カ月間は、五輪出場選手を研究し対策を練るが、当面はシドニーにいるので見かけたら声をかけて欲しい」と喜びを語った。

八尋選手の東京五輪出場内定を受け、シドニー拠点の書家・れん氏は、「祝・八尋恆存君/東京五輪出場」の言葉をしたためた祝いの書を同選手に贈呈した。日本をバックグラウンドに持つオーストラリア代表の活躍に、日豪双方から注目が集まりそうだ。


天皇誕生日レセプションに各界から300人出席
在ブリスベン日本国総領事館

祝辞を述べるポールデ・ジャージーQLD州総督(中央/写真提供:在ブリスベン日本国総領事館)
祝辞を述べるポールデ・ジャージーQLD州総督(中央/写真提供:在ブリスベン日本国総領事館)

在ブリスベン日本国総領事館は2月21日、令和の御代になって初めての天皇誕生日祝賀レセプションを、ブリスベン郊外の在ブリスベン日本国総領事公邸で催した。公邸にはポール・デ・ジャージーQLD州総督夫妻、QLD州首相代理として出席のスターリング・ヒンチクリフ州多文化共生担当大臣など多くの政府関係者や、日本企業代表者など各界から300人近くが出席しにぎやかな祝宴となった。

冒頭、田中一成・在ブリスベン日本国総領事があいさつに立ち、全豪各地に大きな被害をもたらした森林火災の被害者へのお見舞いを述べた。更には、最近の日豪関係とりわけQLD州との関係性の深まりについて、昨年のラグビーW杯における様々な交流や昨年35周年を迎えた埼玉県とQLD州の友好関係、今年のブリスベン市と神戸市の姉妹都市35周年、東京オリンピックなど多くの例を引いて語った。その後、デ・ジャージー総督、ヒンチクリフ大臣、州議会野党リーダーのデブ・フレックリングトン氏の祝辞に続き、総領事と州総督の乾杯の音頭で参列者は天皇陛下とエリザベス2世女王陛下に杯を捧げた。

会場では、日本食材をふんだんに使った料理や日本酒などが振る舞われ、ヤマハ・オーストラリアによるモトクロス・バイクや州内で害虫ヒアリの発見駆除に使用されているドローンなど、日本関連の最新テクノロジー製品も展示され、参加者の目を引いた。また、QLD州フレーザー・コースト地域自治体と姉妹都市関係を結んで5年になる埼玉県春日部市のブースも設けられるなど、多くの参列者が天皇誕生日を祝い、レセプションを楽しむ様子が見られた。


NSW鉱山開発プロジェクト承認に関するセミナー開催
シドニー日本商工会議所

シドニー日本商工会議所の資源・エネルギー部会(部会長=宮崎智哉:豪州日本製鉄)は2月17日、「鉱山開発プロジェクト承認に関するNSW州の審査機関や裁判所の判断の動向」と題しセミナーを開催、31人が参加した。

当日は、企業向けに監査、アドバイザリー、税務に関するサービスを提供するPwCのパートナーであるマーク・ピスティッリ氏とジョニ・ヘンリー氏が鉱山開発プロジェクトの承認プロセスや、直近の注目すべき判例等について、詳しく解説した。

PwCパートナーのマーク・ピスティッリ氏
PwCパートナーのマーク・ピスティッリ氏
PwCパートナーのジョニ・ヘンリー氏
PwCパートナーのジョニ・ヘンリー氏

ロス・ディビッド・マキノン氏の勲章授与式
在ブリスベン日本国総領事館

田中総領事夫妻と共に笑顔で記念撮影に収まるマキノン氏(右から3人目)とその家族(写真提供:在ブリスベン日本国総領事館)
田中総領事夫妻と共に笑顔で記念撮影に収まるマキノン氏(右から3人目)とその家族(写真提供:在ブリスベン日本国総領事館)

在ブリスベン日本国総領事公邸で2月14日、令和元年秋の叙勲で旭日小綬章を受勲した元ブリスベン市立マウント・クーサ植物園園長ロス・ディビッド・マキノン氏への勲章授与式が行われた。同氏は、1988年に開催されたブリスベン観光万博の展示の一部であった日本庭園の文化的価値を高く評価。同博覧会の終了後に同庭園の市立植物園への移設の実現に尽力し、その移設実現後も同園を利用しての日本文化紹介及び対日理解の促進に多大な貢献を果たした功績が認められた。

式典には、マキノン氏の家族や友人が多く列席し、受勲を共に祝った。田中一成・在ブリスベン日本国総領事は、「昨年で移設30周年を迎えたマウント・クーサ植物園の日本庭園では、毎年、ジャパン・カルチュアル・デーが開催されてきた。昨年は9,820人もの来訪者があるなど、日系コミュニティーだけに留まらず、多くのローカルの人に楽しんでもらえている」と、日本文化を発信する日系コミュニティーのイベント会場としても欠かせない日本庭園移設を実現させたマキノン氏の功績を称えた。これに対してマキノン氏は、日本庭園移設を当時のブリスベン市長のサリーアン・アトキンソン市長に提案、説得したときのエピソードを交えての答辞で応えた。


日本人農業研修生派遣プログラム第1期生
QLD州での研修を終え帰国へ

修了証を手に笑顔を見せる9人の研修生とTIQ、在ブリスベン総領事館の関係者
修了証を手に笑顔を見せる9人の研修生とTIQ、在ブリスベン総領事館の関係者

QLD州議会議事堂で3月10日午後、公益社団法人・国際農業者交流協会がQLD州北部ボーウェンに派遣した日本人若手農業研修生9人の研修修了証授与式およびレセプションが行われた。

同協会は、過去60年以上にわたり、若手農業者育成を目的に欧米諸国に農業研修生を派遣してきたが、オーストラリアへの派遣は今回が初。昨年3月からボーウェンに滞在してきた9人は、現地のトマト、マンゴー農家や種苗企業などで農業手法や知識を会得した。

授与式では、QLD州政府貿易投資庁(TIQ)のスティーブン・ブレッドハウワー会長が修了証を授与。同席した田中一成・在ブリスベン日本国総領事も研修生の労をねぎらった。TIQのポール・マーティンCEOは「帰国する研修生が、当地で得た知識を日本の農業に役立てることを期待する。滞在期間中、彼らは“民間大使”として、ボーウェン地域の人びととの親交を深め、QLD州と日本の貿易・経済面での強く良好な関係の維持に貢献した。州政府は、今後も本プログラムを継続的に支援していきたい」と述べた。

同日夜、研修生一行は田中総領事に招かれて総領事公邸での夕食会に出席。ボーウェンで支援を受けた関係者を交えて、長い研修の成果や思い出を語り合いながら、QLD州での最後の夜を過ごした。なお、第2期研修生の派遣が決まっており、3月下旬にボーウェン到着が予定されている。


「クリーンアップ・オーストラリア」に参加
シドニー日本人会・シドニー日本クラブ

清掃活動に参加した皆さん
清掃活動に参加した皆さん
参加者が集めたゴミの一部
参加者が集めたゴミの一部

シドニー日本人会(会長=中城英喜:三菱UFJ銀行)のレクリエーション委員会(委員長=笠原昌哉:JTBオーストラリア)は3月1日、レーンコーブ・ナショナルパークで、ごみ削減キャンペーン「クリーンアップ・オーストラリア」に参加した。

クリーンアップ・オーストラリアは、全国一斉にオーストラリアの公園や浜辺をきれいにすることを目的とするキャンペーン。今回もシドニー日本クラブ(会長=コステロ久恵)と合同で参加し、大人から子どもまで総勢110人が公園内や周辺道路のごみを拾った。また、清掃活動後はバーベキューを楽しんだ。


豪州で静岡県の自転車ツーリズムPR

メルボルンの会場には、東京で通算4個目の金メダルを狙うパラ・サイクリングのレジェンド、キャロル・クック選手も訪れた(Photo: Taka Uematsu)
メルボルンの会場には、東京で通算4個目の金メダルを狙うパラ・サイクリングのレジェンド、キャロル・クック選手も訪れた(Photo: Taka Uematsu)

静岡県は今年1~3月、同県でのインバウンドのサイクリング旅行をPRするキャンペーン「静岡サイクリング・ロードショー」をオーストラリア国内で開催した。同県は、東京五輪・パラリンピックの、BMXを除く自転車競技の開催地。五輪開催を契機に、県全体を国内有数の“サイクリング・デスティネーション”としてプロモートしていきたい考えだ。

今年1月から二度に分けた日程で行われた「静岡サイクリング・ロードショー」は、世界有数の自転車大国であるオーストラリア国内を特注トラックで巡るもので、3月2日からの同ロードショーの後期日程は、シドニーを皮切りに、キャンベラを経てメルボルンに至る8日間のルート。荷台部分が特設ディスプレー・スペースに早変わりする特注トラックには、6つの4K動画スクリーンを使った最新鋭のトレーニング・バイクのシステムが搭載された。富士山などを臨む静岡県の映像を使ったバーチャル・サイクリングが楽しめる同システムを載せたトラックは、各都市で、サイクリング愛好者だけに留まらず多くの人びとで賑わった。

今回のキャンペーンでは、静岡県のオセアニア連絡員が全日程に同乗し、訪れた人びとに直接応対。世界中で猛威を振るう新型コロナウィルスの懸念などをぶつける人も少なくなかったが、その場で静岡に関する質問に的確に答えてもらえることで来訪者の満足度は総じて高かった。参加者の1人は「前回、日本を訪れた時は(富士山を)新幹線から見るだけだった。こんなにきれいな富士山を近くに観ながらサイクリングができるなら、次に日本に行くときは、静岡でサイクリングを楽しみたい」と満足気な様子を見せていた。


ゴールド・クラス達磨でマグロ解体ショーが盛況

ゴールド・クラス達磨の伊藤板長(中央)とスタッフ
ゴールド・クラス達磨の伊藤板長(中央)とスタッフ

シドニー市内中心部の4つ星ホテル、グレース・ホテル内にある高級割烹「ゴールド・クラス達磨」で3月14日、第2回マグロ解体ショーが開催された。好評を博した昨年7月以来、約8カ月ぶりとなる同イベントには約50人が参加し、豪快なショーの見物やオークションを楽しんだ。

同イベントでは、ニュージーランド沖で獲れた50キロ級のミナミマグロが入荷され、鮮魚バイヤーのピアモント・シーフードの石井誠人氏が解体を担当した。日本人の他、中華系のグループも多数参加し、大トロ、中トロ、赤身の食べ比べを堪能。オークションでは腹の部位の落札に320ドルの値が付くなど、参加者は南半球の豊かな食文化を大いに楽しんだ。


不動産会社GIM、チャリティー演奏会に71人参加
オークションで山火事被害者に寄付

シドニーの不動産コンサルティング会社グローバル・インテリジェンス・マネージメント(GIM)は2月21日、創立10周年を記念しチャリティー・ピアノ・コンサートをサーキュラー・キーのサー・スタンフォード・ホテルで開催した。71人が参加し、国内の森林火災被害者のためのオークションも行われた。

式典冒頭では、GIMの2010年創立以来の歩みが同社の鶴美枝代表により語られ、メディア会社JAMS.TVの鷲足博代表により乾杯の音頭でGIMの10周年を祝った。

同イベントには、「Duo A&K」として活動するピアニストの生田敦子さん・惠子さん姉妹が日本から招かれ、参加者は銘器スタインウェイでのピアノ連弾をフランス料理のコース・ディナーと共に楽しんだ。他にも、誕生日を控えた鶴代表に向けてコーラス・グループのシドニーさくら合唱団によるバースデー・ソングの合唱や、参加者によるピアノ演奏の披露などがあり、和やかな時間を過ごした参加者からは「大変満足できるイベントだった」との声が多く寄せられた。

事前に予告されていたオークションのためには着物や空気洗浄機などさまざまな品物が寄付され、食事後にチャリティー・オークションが開催され、収益金1,180ドルが集まった。全額が、昨年から今年初頭にかけてオーストラリア国内に深刻な被害をもたらした森林火災の被害者への寄付として、ユニセフ・オーストラリアへ寄付される。

GIMの鶴代表は、「森林火災は鎮火したが、被害の大きさは計り知れない。一過性ではなく、長期的に復興を支えていきたい」と今後に向けた思いを語った。

参加者の前で挨拶するGIMの鶴美枝代表
参加者の前で挨拶するGIMの鶴美枝代表
ピアノ演奏を披露した「Duo A&K」
ピアノ演奏を披露した「Duo A&K」

シドニー近郊でグループ・ホーム見学会
障がい児の親の会JCGが開催

見学会に参加したJCGメンバーら
見学会に参加したJCGメンバーら

シドニー北部チャッツウッドを拠点に活動する障がい児の親の会ジャパニーズ・ケアラーズ・グループ(JCG)は3月11日、マーズフィールドとライドにある障がい者の暮らすグループ・ホーム2軒の見学会を開催した。当日はJCGメンバー11人が参加した。

施設見学後、参加者は入居者のケア・スタッフら関係者から施設の説明を受け、入居のプロセス等を中心とした質疑応答も行われ、充実した見学会となった。参加者からは「実際にグループ・ホームを見学でき、そこでの生活の様子や、個人に合わせたプログラムやサポートがあることがわかって良かった」といった声が上がり、満足度の高い見学会となった。

JCGは非営利団体として活動し、毎月2回定例会を開いている。参加希望者は下記まで連絡を。

■ジャパニーズ・ケアラーズ・グループ定例会
場所:チャッツウッド(参加者に連絡)
日時:毎月第2、4水曜10:30AM~12:30PM
Tel: 0411−139−872(代表:ひとみグッドウィン)
Email: Japanesecg@gmail.com


教科書無償配布申し込み、4月15日締め切り
在メルボルン日本国総領事館

在メルボルン日本国総領事館は現在、令和2年度(2020年)の日本の教科書(小学校下巻)の無償配布の申し込みを受け付けている。希望者は4月15日までに、同総領事館のウェブサイトから申し込む。対象は、日本国籍を保持し、VIC州、SA州、TAS州に長期滞在(滞在予定が1年未満及び永住目的の人を除く)している義務教育年齢の児童・生徒。今回の下巻の申し込みは小学生のみ(中学生は下巻がない)となっている。

なお、メルボルン日本人学校、メルボルン国際日本語学校(MISJ)、サンドリンハム・メルボルン補習校(JSC)及びアデレード日本語補習授業校に在籍している人は学校から配布されるため、申し込む必要はない。

■教科書無償配布申し込み(小学校下巻)
Web: melbourne.au.emb-japan.go.jp/itpr_ja/kyokashohaifu.html#apply_receive
Email: japanese-consulate@mb.mofa.go.jp(問い合わせ)


領事館における手続きの手数料改定

4月1日申請分より、領事手通料が改定される。主な改定は以下の通り。

■旅券(パスポート)関係

■証明関係

なお、3月31日までに申請または申し込みが済んでいる場合は、受取日が4月1日以降になった場合でも旧料金が適用される。


書家れん氏、シドニーで個展開催
かな文字で森林火災被害にメッセージ

シドニー中心部の紀伊国屋書店で3月4~17日、シドニー拠点の書家・れん氏による個展「REN-page 17」が開催された。会場には、オーストラリアの森林火災への支援と復興に向けた思いを表現した作品が並んだ。

開催初日の3月4日にはオープニング・レセプションが催され、書家本人によるあいさつが行われた。今回の展示は、かな文字を交え、柔らかな書体を用いた書作品。れん氏は「日本からの応援のメッセージを伝えたい」と作品のかな文字にしたためた思いを語っていた。他にも、フォトグラファーと共同制作した写真と書の融合作品が、色合い鮮やかに鑑賞者の目を楽しませた。

開催初日から多数の鑑賞者でにぎわい、訪れた人同士が作品について会話を弾ませるなど、書作品に興味を持つ人の多さをうかがわせた。同会場では、作品をモチーフにしたステッカーなどのグッズも販売された。

オープニング・セレプションであいさつをする書家れん氏
オープニング・セレプションであいさつをする書家れん氏
写真と書を融合した作品も目を引いた
写真と書を融合した作品も目を引いた

「英語で落語」公演、多国籍の観客に好評
シドニー国際交流基金で

シドニー南部のチッペンデールにあるのジャパンファウンデーションで3月6日、7日の2日間にわたり、オーストラリア初めてとなる全演目英語による落語(ストーリーテリング)鑑賞会「英語で落語」が開催された。出演は、世界各国で「英語落語」を披露するキャナリー英語落語会の鹿鳴家英楽(かなりやえいらく)氏、鹿鳴家ゆん卓氏、鹿鳴家志知里氏の3人。英語による落語公演という貴重な機会に、多国籍の観客が集まり、会場は笑いの渦に包まれた。

公演では、『寿限無』『死神』『試し酒』などの代表的な落語の演目に加え、伝統芸である『玉すだれ』が披露された。オーストラリアならではの「笑い」も交えつつ、日本の趣を感じられるストーリーと、伝統的な衣装をまとった噺家のパフォーマンスに観客は目と耳を奪われていた。

落語の起源は17世紀後半の江戸時代にさかのぼる。今回の英語公演では、400年の歴史を持ち引き継がれる落語をストーリーテリングとして、日本のユーモア、伝統、文化を伝えた。噺家により、物語の構成や翻訳の方法、仕草に繊細な工夫が凝らされ、噺(はなし)に込められた日本特有の感覚や習慣を言語の壁を超えて伝えた。日本語の落語公演でも馴染みの手ぬぐいや扇子を用いた表現も、観客のイマジネーションを搔き立てた。

英語で日本の落語演目を披露する鹿鳴家英楽氏
英語で日本の落語演目を披露する鹿鳴家英楽氏
出演したキャナリー英語落語会のメンバー
出演したキャナリー英語落語会のメンバー

東京五輪・パラリンピックに日本語の大書でメッセージ
豪五輪委員会本部でパフォーマンス

豪州五輪委員会のエグゼクティブ・アドバイザーのピーター・ギブソン氏(左)と大書のパフォーマンスを行った書家・れん氏
豪州五輪委員会のエグゼクティブ・アドバイザーのピーター・ギブソン氏(左)と大書のパフォーマンスを行った書家・れん氏

シドニー市内の豪州五輪委員会(AOC)本部オフィスで3月9日、7月に開催される東京五輪・パラリンピックの東京大会に向けて、豪州の代表チームを応援するため、日本語の大書のパフォーマンスが開催された。開催国の日本式の方法である筆文字でメッセージを伝えたいというAOCの要請に応え、シドニー拠点の書家・れん氏が招かれ、大書のパフォーマンスを披露した。

当日はAOCエグゼクティブ・アドバイザーのピーター・ギブソン氏が司会を務め、AOC職員も多数参加。れん氏は参加者の目の前で、「豪州五輪代表、頑張れ」「全力で応援します」の言葉を2枚の作品に仕上げた。同氏は他に4作を持参して東京五輪・パラリンピックの両代表選手のために納めた。大会開催までの期間、作品はAOC本部に展示され、開催に合わせて日本の五輪選手村へ移送される。

豪州代表選手に書作品を通じてエールを送ったれん氏は、「これまでは日豪両国の文化イベントなどでの揮毫(きごう)だったが、今回は完全に豪州と豪州国民のため。スペシャル・スキル・カテゴリーで永住権を頂いたアーティストとして、やっとこの国のために仕事ができてうれしい」と、今回の大書に込めた思いを明かし、豪州チームを一層身近に感じながら、日豪両国の選手の活躍を期待したいと語った。


異例の海外転戦で
“最後”のシーズンを戦う、サンウルブズ

ボールを運びつつ攻め上がるサンウルブズCTB中野将伍(Photo: Nino Lo Giudice)
ボールを運びつつ攻め上がるサンウルブズCTB中野将伍(Photo: Nino Lo Giudice)

ラグビー・ユニオン(15人制)の南半球最高峰リーグであるスーパー・ラグビー(SR)に日本から参戦中のサンウルブズ。SRの統括団体である「SANZAAR」との契約延長の交渉が不調に終わったことを受けて、今季限りのリーグからの除外が既に決まっている。すなわち、サンウルブズは今季のSRを“最後”のシーズンとして戦っているのだ。

3月14日、昨季王者のクルセイダーズ戦とのホームでの試合を戦うサンウルブズの姿は、ブリスベンのサンコープ・スタジアムにあった。“ホーム”であるにもかかわらずブリスベンで試合を行ったことには、当然ながら理由がある。拡大の一途をたどる新型コロナウィルス騒動の影響は、他のプロ・スポーツ同様にSRにも直撃。先月28日、感染リスク軽減を理由に、サンウルブズのホーム開催の公式戦2試合の開催地のオーストラリアへの変更が発表された。その代替開催の2戦目が、今回のブリスベンでのクルセイダーズとの対戦。サンウルブズは、今回の会場変更以前の2月22日のレッズ戦(ブリスベン)以来、オーストラリア、NZを転戦。今回の決定で海外での“ジプシー生活”が更に延びた格好だ。

チームにのし掛かる試練は、これだけに留まらない。ブリスベンでの試合が行われた日の夜に発表された今季のSRの日程の一時中断の報せが、新型コロナウイルス・ショックの荒波に翻弄されるサンウルブズに更なる追い打ちを掛けた。

このまま、リーグが再開せずに中止ということになってしまうと、ブリスベンでの閑散としたスタジアムでの14-49という負け試合が、サンウルブズの“見納め”ということになってしまう。リーグ撤退決定後も国内リーグと兼ね合いで選手が集まらず、開幕戦の勝利以降は5連敗と苦戦が続いたサンウルブズ。流浪の狼軍団の異例尽くめの“最後”のシーズンの幕はどのように降ろされるのか――きっちり、その“最後”を見守りたい。
(投稿=本紙特約記者・タカ植松)


SBSラジオ日本語放送4月のハイライト

SBSラジオ日本語放送は毎週、火曜、木曜、土曜の午後10~11時に番組を放送している。番組は、AMラジオ1107khzにチューンを合わせる方法と、デジタル・テレビのデジタル・ラジオ「SBS Radio1」を選択する方法で聞くことができる。

4月の番組インタビューでは、ウーロンゴン・オリンピックFCに加入したプロ・サッカー選手の長谷川悠さんや、日本語教師のケイティ・ギルズさんのインタビューなどを放送予定。東京五輪・パラリンピックをオージーと一緒に楽しむことを目的とした新コーナー「G’Day Tokyo 2020」も2月からスタート。聞き逃してしまった過去のインタビューなどはSBSのウェブサイトや無料アプリで聞くことができる。またイベント紹介コーナーでは当面、イベントの代わりに、好きなときにインターネットで楽しめるSBSオンデマンドや地上波の無料映画専門チャンネルSBS World Movies(チャンネル32)からお薦めの作品やハイライトを紹介する。

なお、毎月最終週の木曜には、日豪プレス翌月号の見どころや取材の裏話などを編集部スタッフが紹介している。次回は4月30日(木)放送予定。

■SBSラジオ日本語放送
Email: Japanese.program@sbs.com.au
Web: www.sbs.com.au/Japanese
Facebook: www.facebook.com/SBSJapanese


QLDでカンタス制服のバービー人形展
日本出身の客室乗務員が制作

自作の制服を着せたバービー人形を持つセーラ・アンブレヒト氏
自作の制服を着せたバービー人形を持つセーラ・アンブレヒト氏

QLD州内陸部のロングリーチにあるカンタス・ファウンダーズ博物館で現在、カンタス航空の過去100年にわたる客室乗務員の制服姿のバービー人形の展覧会が開催中だ。展示作品は、カンタス航空に客室乗務員として30年近く勤める日本出身のセーラ・アンブレヒト氏が趣味として制作した。

同氏は2年以上をかけてカンタス航空の歴代の制服を研究し、ミニチュアの制服を制作。当初は現在の制服のミニチュア版のみを制作していたが、今年11月でカンタス航空が100周年を迎えるにあたり、同僚らの勧めを受けて過去の制服を作るに至ったという。今回の展覧会では、ミニ・スカートの制服や日本便で行われた着物サービスなど、過去100年の客室乗務員の制服全てが、全43体のバービー人形と共に展示されている。

アンブレヒト氏は同展の開催を受け、「カンタス航空の歴史を読み、制服の変遷に驚き、感動しながら制作した。見た方が笑顔になってくださるとうれしい」とコメント。同展では、同氏が作った機内食のミニチュア作品も併せて展示され、年内中の開催が予定されている。

同館は、カンタス航空の歴史や1920年代からのQLD州のアウトバックの生活などをテーマとする博物館。同館のあるロングリーチは、QLD州東部のロックハンプトンから車で7時間の内陸に位置する。

■A Doll Size Display Of Qantas Uniforms
日時:開催中~12月中、毎日9AM~5PM(クリスマス・デー、ボクシング・デーを除く)
場所:Qantas Founders Museum(1 Hudson Fysh Dr., Longreach Airport, Longreach QLD)
Web: qfom.com.au/2020/03/09/a-doll-size-display-of-qantas-uniforms


オーストラリア各地で公共施設が一時休館
COVID-19拡大防止のため

メルボルンのフェデレーション・スクエアにあるNGVインターナショナルの建物(Photo: Charlotte Ambrose)
メルボルンのフェデレーション・スクエアにあるNGVインターナショナルの建物(Photo: Charlotte Ambrose)

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、オーストラリア国内の美術館や図書館などの公共施設は3月23日までに、相次いで一時休館を決定した。多くの施設で、オンライン・サービスは継続されている。

シドニーではNSW州立図書館、NSW州立美術館、オーストラリア現代美術館(MCA)、パワーハウス・ミュージアム、シドニー・リビング・ミュージアムズの12館などが休館を発表。ジャパンファウンデーション・シドニー(国際交流基金)も図書館とギャラリーを休館した。いずれも再開時期は未定となっている。

メルボルンでは、ビクトリア州立図書館とビクトリア州立美術館が4月13日まで、アーツ・センター・メルボルンが4月12日まで休館する。

ブリスベンのQLD州立図書館、ブリスベンのQLD州立美術館、近代美術館(QAGOMA)、QLD博物館なども、再開の発表があるまで休館の予定としている。

一方、アデレードのSA州立図書館やSA博物館など、対面サービスの一部を休止しながら開館している施設もある(3月23日現在)。利用の際は、手洗いや咳エチケットなどの衛生面に注意を呼びかけている。

休館中の施設でも、図書館の電子書籍や映画作品のオンラインでの貸し出しなどは、継続して利用が可能。また、美術館や博物館によっては、所蔵作品や特別展の作品をオンラインで公開しているところもある。休館日程や各館のサービスに関する最新情報は、各公式ウェブサイトで確認する。


■NSW州立美術館・日本語ボランティア・ガイド便り

ARTEXPRESS(アートエクスプレス)

Jessica Nagy, Abbotsleigh The fisherman's daughter (detail) © the artist Photo: Robert Edwards
Jessica Nagy, Abbotsleigh The fisherman’s daughter (detail) © the artist Photo: Robert Edwards

「ARTEXPRESS 2020」が始まりました。さてARTE XPRESSとは何か? HSCでビジュアル・アーツ(視覚芸術)を専攻した学生たちの作品展です。

8,700人の学生たちが9カ月間かけて制作した卒業作品は、シドニー近郊の学校の場合、ホームブッシュにあるセンターに送られ採点されます。地方の場合は採点者たちがそれぞれの学校へ赴き採点します。HSCの採点が全て終わると、優秀作500点がARTEXPRESSへ推薦され、その中から当美術館の学芸員が厳選した48点の作品が展示するのが「ARTEXPRESS 2020」です。

フォト・メディア、テキスタイル、絵画、スカルプチャー、セラミックなど広範囲のジャンルにわたる表現形式によって、持てる資質を精一杯に表した素晴らしい作品群です。テーマは環境問題、女性差別など若い学生たちの問題意識を表すものが多数を占める作品展でもあります。

その中からJessica Nagyによる「The fisherman’s daughter」をご紹介しましょう。オランダ黄金時代の肖像画を思わせるような作品ですが、17世紀のオランダにおける女性の役割と自分の家族の仕事である漁業とを題材に制作したフォト・メディアです。過去に女性はただ単に家庭内に属するものとみられていましたが、この作品では漁夫の妻または娘たちの認められていなかった日常を、女性の頭に魚を乗せたり、手で魚を鷲掴(わしづかみ)みにとすることなどで、実際にはただの受け身の存在では無く、汚くなって過酷な作業をこなしたことを表したものです。

またもう1つ、Lauren Trounceによる「The social fabric」もぜひご覧になって頂きたい作品です。黒のホット・グルーを使ってまるで繊維を紡いだかのように制作された大きな作品は、不動産の値上がりなどで返済不能になり居場所を追い出された高齢のホームレス女性を主題に、家を失うことで社会とのつながりや自己価値を失っていくことを表現したものです。Laurenはこの作品制作に、切り絵作家・福井リサの影響を受けたそうです。

その他、日本の工芸「金継ぎ」を使って制作したものとか、日本人アーティストから影響を受けた作品がいくつかあるのが印象に残ります。これからのアート・シーンで活躍するであろう若者たちの作品を集めたARTEXPRESS展をぜひ、お楽しみください。
(NSW州立美術館コミュニティー・アンバサダー=チョーカー和子)

■ARTEXPRESS展
日時:開催中~4月26日(日)10AM~5PM、水曜のみ10PMまで ※コロナウイルスの影響により閉館期間あり。詳細は下記ウェブサイトで確認
場所:Art Gallery of New South Wales(Art Gallery Rd., The Domain NSW)
料金:無料
Tel: (02)9225-1700(英語)
Email: communityambassadors@ag.nsw.gov.au(日本語可)
Web: www.artgallery.nsw.gov.au
無料日本語ガイド・ツアー:毎週金曜11AMより


日豪プレスよりお知らせとお願い

新型コロナウイルスの影響により、オーストラリア国内でイベントのキャンセルが相次いでいます。今後、感染者の増加や政府方針の変更などに伴い、本紙掲載のイベントも中止や延期を余儀なくされる可能性があります。イベント情報の詳細については主催団体かイベントの公式サイトで最新情報を事前に確認し、また、外出の際は連邦政府や州政府の指針に沿って行動してください。
 なお、当記事「ニュース/コミュニティー」の情報は、3月23日現在のものです。

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