2015年2月 ニュース/総合


トニー・アボット首相

アボット首相「日本と連帯」

日本人拉致事件で

「イスラム国」を名乗る過激派組織に日本人2人が拘束された事件で、トニー・アボット首相は1月22日に発表した声明で、安倍首相との電話会談を行い「日本と連帯して協力していくことを伝えた」ことを明らかにした。日本人2人を人質に取った過激派組織の行動を強く糾弾するとともに、オーストラリアは日本とともに2人とほかのすべての人質の解放を要求するとしている。

また、アボット首相は「デーシュ(いわゆるイスラム国)の壊滅に向けた国際的な努力に対するオーストラリアの決意を改めて表明する。オーストラリアと日本が、テロリズムのために我々の(共通の)価値観や自由を犠牲にすることは、断固としてない」と強調した。

オーストラリアは昨年、米・英・仏などの有志連合による対イスラム国攻撃に参加した。現在、戦闘機や空中給油機などを派遣し、イラク領内の拠点に対して空爆を行っている。その一方で、オーストラリアからも多数の若者がイスラム国に参加していると伝えられている。

国内の同調者による「ホームグロウン・テロ」(国産テロ)の危険も高まっている。昨年12月にはシドニーで男が人質を取ってカフェに立てこもり、容疑者1人を含む3人が死亡する事件が起きた。現時点で容疑者はイスラム国の直接の関係者ではなく単独犯との見方が強いが、過激思想に傾倒していたとされる。


日本人選手2人獲得、サッカーAリーグWSW

サッカーAリーグのウエスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)は1月14日までに、J1広島に在籍していた日本代表経験者のMF高萩洋次郎と、J1川崎のDF田中裕介(ともに28)の日本人選手2人を獲得した。WSWは今季、12試合を消化した27日の時点で0勝8敗4分の最下位(10 位)と低迷していて、戦力の強化が急務となっている。

WSWはシドニー西郊パラマタを本拠地として2012年に発足した。新興チームながら1年目の12/13年レギュラー・シーズン優勝、13/14年同2位の強豪。2014年のアジア・サッカー連盟(A F C)チャンピオンズ・リーグではオーストラリア勢として初優勝も果たした。元日本代表の小野伸二(現J2 札幌)が昨シーズンまで2年間在籍。主力選手としてチームをけん引し、チームの躍進に大きく貢献した。


ユーレン元労働党副党首が死去

元戦争捕虜、長崎で原爆投下目撃

32年間にわたって連邦下院議員を務め、閣僚や野党副党首を歴任した労働党左派の有力政治家、トム・ユーレン氏が1月26日、死去した。93歳だった。第2次世界大戦中に旧日本軍の捕虜となり、長崎で原爆投下を目撃した経験から、戦後は一環して反戦・反核を訴えた。「軍国主義を責めるべきで日本国民に罪はない」と主張し、日豪関係の改善にも貢献した。

1921年に当時は労働者階級の街だったシドニー西部バルメインに生まれ、大恐慌後に貧しい生活を強いられた。高校卒業後はプロ・ボクサーとして頭角を現したが、41年に豪陸軍に入隊。ティモールで戦争捕虜となり、過酷な労働で多数の犠牲者を出したことから、「死の鉄道」として語り継がれている泰緬鉄道(タイ・ミャンマー間)の建設作業を強制された。

その後、炭鉱労働のため連行された九州で45年8月9日、長崎に落とされた原爆の閃光を目撃した。その光景についてユーレン氏は、2008年の公共放送ABCのインタビューで「オーストラリア中央部の真っ赤な夕焼けを思い出したが、それよりも10倍強烈だった」と述懐している。

戦争体験は後の政治家としての姿勢に大きな影響を与えた。ボクサーとして再起を目指したがかなわず、スーパーの店長などを務めた後、労働党に入党。58年の連邦選挙でシドニー西部レイド選挙区から立候補して下院議員に初当選し、ベトナム戦争や徴兵制、核実験に反対するキャンペーンを主導した。一方、同氏の社会主義的な傾向は、保守派の批判を浴びた。72〜75年、ウィットラム政権で都市・地域開発相を務め、歴史的建築物の補修・保全制度を施行。住宅地での高速道路建設や開発を中止し、国立公園を新設するなどした。

76年に野党副党首、77年に労働党左派の派閥代表となり、84〜87年にはホーク政権の地方自治体相などを歴任。90年に政界を引退し、第2次世界大戦で従軍経験を持つ最後の連邦議員となった。引退後も反戦活動を続け、イラクやアフガニスタンへのオーストラリアの派兵に反対した。

ビル・ショーテン労働党党首は26日、「オーストラリアと労働党にとって巨大な存在だった」と追悼の意を表した。トニー・アボット首相は同日、声明で「かつての敵国(日本)を許し、新しい関係を築くことを、何世代ものオーストラリア人に説いた」と述べ、日豪和解の功績を賞賛した。


豪ドル、5年半ぶり安値

0.8米ドル割り込む-景気下支えに期待

豪ドルの対米ドル相場が約5年半ぶりの安値を付けている。1月26日の外国為替市場では一時1豪ドル=0.7850米ドルとリーマン・ショック直後の2009年7月以来の最安値を記録した。欧州中央銀行(ECB)が22日に量的緩和策の導入を決断したことや、25日のギリシャ総選挙で急進左派勢力が勝利したため信用不安のリスクが拡大、ユーロを売って米ドルを買う動きが鮮明になった。米ドル高につられて豪ドル安基調に拍車がかかった格好だ。

また、利下げ観測が浮上していることも、豪ドルを押し下げる一因となっている。資源価格の低迷を背景に先行き不透明感が強まっている景気をテコ入れするため、豪準備銀(RBA)が早ければ2月にも既に史上最低の水準にある政策金利(2.5%)をさらに引き下げる可能性が指摘されている。

RBAが利下げすれば、年央にも利上げに踏み切ると見られている米国との金利差縮小が見込まれる。このため、豪ドル安がさらに加速するとの見方も出ている。1月16日付の日刊紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」によると、米資産管理会社ブラックロックの在豪法人幹部は「通貨安を支える要因は多い。2015年上期に1豪ドル=0.70米ドルを割り込んでも驚かない」と指摘している。

急激な為替変動は市場に動揺を与えるが、これまで歴史的な通貨高に苦しめられた国内の輸出産業にとって豪ドル安は朗報。予想される利下げや、ガソリン安による消費刺激効果とともに、景気の落ち込みを和らげる緩衝材となる可能性がある。


訪日豪州人、30万人超える
国・地域別7位-前年比約24%増

日本政府観光局(JNTO)が1月20日に発表した訪日外客数統計によると、2014年に日本を訪問したオーストラリア人の数は30万2,700人と前年比で23.8%増加した。初めて30万人の大台を超えて過去最高を記録した。

国・地域別では、台湾(282万9,800人、28%増)、韓国(275万5,300人、12.2%増)、中国(240万9,200人、83.3%増)、香港(92万5,900人、24.1%増)、米国(89万1,600人、11.6%増)、タイ(65万7,600人。45%増)に次いで7番目に多かった。

全体では134万3,600人と29.4%伸び、過去最高を更新した。日本政府は東京五輪が開催される2020年までに訪日客を2,000万人まで増やす目標を掲げている。



2013年に続いて年間ベストセラーとなったトヨタ・カローラ(Photo: Toyota Australia)

14年豪新車販売、1位はカローラ
メーカー別シェアもトヨタ独走続く

連邦自動車産業会(FCAI)は1月6日、自動車販売台数に関する統計を公表した。これによると、2014年にオーストラリア国内で販売された新車の総数は111万4,334台と前年比で2%減少したものの、3年連続で110万台以上の高い水準を確保した。

車種別のトップは4万3,735台(前年比0.5%増)を販売した小型車「トヨタ・カローラ」で、4万3,313台(2.9%増)の2位「マツダ3」を僅差で上回った。3位は小型トラックの「トヨタ・ハイラックス」(3万8,126台、4.5%減)、4位は小型車「ヒュンダイi30」(3万1,505台、3%増)、5位は豪州製大型車「ホールデン・コモドア」(3万203台、8.8%増)だった。日本ブランド車はベスト10中5車種がランクインした。

メーカー別では、20万3,501台(5.2%減)を販売したトヨタ自動車が、2位の米GMホールデン(10万6,092台、5.3%減)、3位のマツダ(10万704台、2.4%減)を大きく引き離し、引き続きシェア1位の座を維持した。日本勢はこのほか三菱自動車、日産自動車、富士重工(スバル)、ホンダの合計6社が10位以内に入った。

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