2014年5月 ニュース/総合


4月7日、東京で開かれた日豪首脳会談で2国間EPA交渉について大筋で合意した安倍晋三首相とトニー・アボット首相(Photo: AFP)

日豪EPA交渉、大筋合意
安倍首相来豪時に調印へ

 2国間のモノ・サービスの貿易や投資の大幅な自由化を図る日豪経済連携協定(EPA)の交渉が決着した。4月5~8日に日本を公式訪問したトニー・アボット首相と安倍晋三首相が7日、日豪首脳会談で大筋合意した。両首脳はこのほか、防衛装備や技術、サイバー攻撃などをめぐる安全保障分野の協力強化、豪州人大学生の留学支援事業への協力も表明。「両国の戦略的パートナーシップを新たな特別な関係に引き上げる」ことを確認した。

協定が完全に発効した時点で、日本から豪州への輸入額の約99.8%(13年の豪州側の貿易統計ベース)、豪州からの日本への輸入額の約93.7%(同年の日本の財務相貿易統計ベース)の商品に対する関税がゼロになる。このほか、豪州から日本への輸出が多い天然ガスや石炭などの鉱物資源・エネルギーの安定供給、投資・サービスの自由化、電子商取引や政府調達に関するルールの整備、知的財産の保護など幅広い分野で協力を加速する。

日豪EPAの発効により、日本の消費者は豪州産牛肉など食料品の価格低下のほか、エネルギー・食糧資源の安定的な確保も期待できる。豪州の消費者にとっても、日本製の自動車や家電製品の費用対効果が増すなどの恩恵が望める。関税の撤廃や削減で2国間貿易が活性化するだけではなく、日本企業が豪州での事業や投資を行いやすくなり、豪州企業による日本進出や投資も加速する可能性がある。

一方、豪州側が強く求めたとされる日本の農産品市場の「包括的な自由化」は回避した。しかし、即時または段階的な関税引き下げ、枠内の輸入量について無税とする関税割当の導入など市場開放が進み、競合する日本の農業生産者は影響を受ける。日本はこれまで12カ国・1地域とEPAを締結したが、本格的な農業輸出国との妥結は豪州が初めて。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への影響も注目される。

安倍・アボット両首相は会談で「1957年の日豪通商協定締結以来、両国間で最も重要な経済条約」と位置付けた。日豪通商協定は安倍首相の祖父・岸信介元首相が署名。戦後間もない時期に現在の日豪関係の基礎となる歴史的な転換点となった。

日豪EPA交渉は第1次安倍政権時代の2007年に始まった。交渉期間は約7年と長期化したが、日・中・韓との自由貿易協定締結を急ぐアボット政権と、アベノミクスの一環で成長戦略を推進する第2次安倍政権の下で大きく進展した。最終的には、日本の豪州産牛肉に対する関税の引き下げと、豪州の日本製自動車への関税の引き下げで双方が歩み寄った格好。今冬(北半球の夏)と見られる安倍首相来豪時に両首脳が合意文書に調印し、両国議会の批准を経て早ければ14年初頭にも発効する見通しだ。

 

焦点の牛肉・車で双方が妥協

最大の焦点となっていた日本側の農産物輸入自由化では、豪州産冷凍牛肉の対する関税を協定発効後18年目に現行の38.5%から19.5%まで段階的に引き下げる。日本の国産牛肉と直接競合する冷蔵牛肉の関税も15年目に23.5%まで削減する。豪州産牛肉の輸入が急増した場合は一時的に関税を引き上げるセーフガード(緊急輸入制限措置)を設ける。

乳製品は、プロセス・チーズやシュレッド・チーズなどに関税割当を導入する。無税の枠内の輸入量は10~20年かけて拡大する。日本が国家貿易制度を採る小麦は、食料用を将来見直すとして先送りにしたが、飼料用は民間貿易に移行して無税とする。日本の農産物の中でも最大の「聖域」と言えるコメについては、関税撤廃の対象から除外した。

野菜・果物はほとんどの品目で関税を即時、ワインは7年目にそれぞれ撤廃される。エビやイセエビ、アワビ、カキ、ミナミマグロなどの魚介類の日本への輸入も無税となる。

また、豪州からの食料の安定供給を図る観点から、牛肉や乳製品、穀物などの重要な食料について、豪州での生産が不足した場合に輸出規制を新設・維持しないよう務めることも盛り込んだ。

豪州の農業団体は日豪EPAの大筋合意をおおむね歓迎した。牛肉市場の自由化を求めてロビー活動を展開してきた「牛肉産業日豪EPAタスクフォース」は7日、声明で「牛肉の関税が協定発効後の数年間に集中して削減されることを喜ばしく思う」と指摘した。日本は豪州産牛肉輸出量全体の26%を占める最大の得意先。同タスクフォースによると、今後20年間の豪州産牛肉の対日輸出額はEPAの締結によって55億ドル拡大するという。野菜生産者団体「オーズベジ」も8日、声明で「ニンジン、アスパラガス、キャベツなどの商品の関税が撤廃され、豪州の生産者にとっては日本のスーパーへの参入が容易になる」と期待を表明した。一方、豪コメ生産者協会(RGA)のゴードン代表は8日、合意からコメが除外されたことについて声明で「非常に落胆している。豪州産の質の高いコメが(日本の)重要な市場への販路拡大を阻害されている」と述べた。

一方、日本の対豪輸出額全体の約半分を占める自動車に対する豪州の関税(現在5%)は、3年目までに撤廃する。このうち日本の対豪自動車輸出額の約75%を占める排気量1.5~3リットル以下の小・中型車については、協定発効と同時に関税を即時ゼロにする。自動車関税の撤廃は日本側が強く要求していたとされる。豪韓自由貿易協定が13年末に交渉が妥結したため、ライバルの韓国車の関税がゼロになることが先に決まっていたからだ。このほか、家電製品を含むほとんどの日本産工業製品や日本産農産品の関税も即時撤廃される。


2大政党が得票率減らす-WA州の連邦上院再選挙

連邦上院WA州選挙区のやり直し選挙が4月5日、実施された。豪選挙管理委員会(AEC)によると、4月13日時点の主要政党の1次選好票得票率は、与党自由党34.17%、野党労働党21.74%、野党環境保護政党グリーンズ(緑の党)15.41%、富豪パーマー氏の保守新党「パーマー・ユナイテッド党」(PUP)12.45%などとなった。指標となる「前回選挙比の得票増減率」(スウィング)は、自由党マイナス5.03ポイント、労働党マイナス4.86ポイントと2大政党が大幅に減らした。一方、グリーンズはプラス5.91ポイントと順調に伸ばした。

各党の獲得議席数は同日現在、依然確定していない。各候補者に優先順位を振り分ける複雑な投票制度のため開票に時間がかかるからだ。ただ、公共放送ABCの予測によると、改選6議席のうち自由党2、労働党1、グリーンズ1の合計4議席がほぼ確定。残る2議席のうち1議席はPUP候補がリードしている。最後の1議席は自由党がやや優勢だという。

連邦上院は各州を1選挙区とする大選挙区比例代表制で任期6年。定数150の約半数が3年おきに改選される。2013年9月の連邦選挙では、上院WA州選挙区で2議席の結果が僅差となったため規定により再開票が行われた。しかし、この際に投票用紙1,370枚の紛失が明らかになった。裁判所は選挙結果を無効と判断、上院史上2回目のやり直し選挙が行われた。

今回のやり直し選挙で当選する6議員は、13年9月の選挙で当選したほかの上院議員とともに今年7月1日から登院する。

 

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