日豪サッカー新時代(NAT)第79回「足跡」

日豪サッカー新時代

第79回 足跡
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

グローバルFCの“ジャパニーズ・コネクション”。左からアハマド・アザウィ、今井敏明監督、本稿の主役・佐々木周、現役フィリピン代表の峯岸光(筆者撮影)
グローバルFCの“ジャパニーズ・コネクション”。左からアハマド・アザウィ、今井敏明監督、本稿の主役・佐々木周、現役フィリピン代表の峯岸光(筆者撮影)

「やっと、生で観られたな」。今年のアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)のプレー・オフ予選2回戦(1月31日)ブリスベン・ロア戦に、フィリピンからアウェーに乗り込んできたグローバルFC。その右ウィング・佐々木周(26歳)の姿をピッチ上で目にして思った。

グローバルには日系選手が3人所属。チームの指揮は海外で長く活躍してきた就任間もない今井敏明監督が執るように、チームの枢要はいわゆる“ジャパニーズ・コネクション”で占められている。

3人の「日系選手」の1人として、早くもチームに必要不可欠の存在となったのが冒頭で触れた佐々木。昨年までNSW州のNPLの名門ブラックタウン・スパルタンズ(当時州1部、現在は州2部で豪州では3部相当)に所属、15年にベスト・イレブンと準MVPに選ばれた大活躍は記憶に新しい。

豪州の次の挑戦の舞台にフィリピンを選びグローバルに入団した直後から、「世界」の舞台に躍り出るチャンスが佐々木を待っていた。比リーグ覇者としてACLプレー・オフ1回戦に臨んだグローバルは、シンガポールのタンピネス・ローバーズを“ジャパニーズ・コネクション”の一角、イラク系日本人MFアハマド・アザウィの活躍で2‐0と撃破。ブリスベンでのロア戦へと駒を進めた。

シドニー在住の複数の知人から「とても良い選手」と聞かされていた佐々木は、その評判に違わぬ選手だった。無尽蔵のスタミナで動き回り、ロアDFをてこずらせた。試合後に「あれは間違いなくハンド」と悔しさをあらわにした、自らのシュートがペナルティー・エリア内で相手DFの手に当たったシーンなど、見せ場も幾つか作った。

司令塔アザウィ、両ウィングの佐々木と日比二重国籍から比代表を選んだ日本育ちの峯岸光の3人は、強豪相手に怯まぬ戦いを見せた。しかし、Aリーグ強豪の壁は思った以上に厚かった。前半でアザウィ、後半71分に佐々木がベンチに退き、攻め手を欠いたグローバルにロアのゴールは遠く、0‐6と完敗。ACLというアジアのひのき舞台への夢ははかなく消えた。

ACLの公式記録2試合に足跡を残した佐々木は、2月末に始まるAFCカップ2017、その先の今年から本格的プロ・リーグとして開幕するPFLでの活躍に今はフォーカスする。日本から豪州を経てフィリピンに至った佐々木周のサッカー人生が、これからも実りあるものになるよう祈ろう。


【うえまつの独り言】
地元紙によると、NSW州南部ウーロンゴンに本拠地を置くウーロンゴン・ウルブズが、元日本代表フォワードの田代有三との移籍交渉を進めているとのこと。既に現地でも目撃情報があるように移籍決定も秒読み段階と思われる。Aリーグのエクスパンションに向けて気合の入るウルブスが、ますます面白くなる。

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