日豪フットボール新時代「至福」第120回

日豪フットボール新時代 第120回
至福

この顔を見掛けたら「タカの記事読んだ」と声を掛けてほしい
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 ブリスベン・ロアの試合は、今季からブリスベン大都市圏の北の外れ、レッドクリフで行われている。練習場もゴールドコーストに移って久しく、選手やスタッフはいつも大移動を余儀なくされるが、試合当日はファンも北へと車を走らせる。雰囲気あるこじんまりとしたスタジアムに不満はないが、いかんせん遠い。筆者の暮らすブリスベン南郊からは小1時間の小旅行になる。それでも今季、ロアの試合を取材に行く楽しみが増えた。日本人選手が2人いるのもあるが、それ以外にも理由がある。

 シーズン序盤のある試合、メディア席の設備が乏しいので、スタンドの空き席からでも観戦しようと試合前のスタジアムを歩いていると、「おーい、タカ!」と独特のスコットランド訛りで声を掛けられた。「おー、ダズルズ!」。

 クラブに長く関わる者に馴染みの深いその顔は、ダズルズの愛称で親しまれるイアン・ダルゼル。かつてロアのキットマン(用具係)を務め、そのフレンドリーなキャラクターと特徴のある馬蹄形のヒゲと風貌で愛されたダズルズとは、ロアの取材を始めたころから良く知る仲。2016年、膀胱がんで体調を崩して、その職を離れ、一時期は末期と診断されるも病に打ち克ち、愛するクラブのスタジアムに帰ってきた彼に、ロアがクラブの永世会員権を授ける粋な計らいで応えたのは語り草だ。以来、彼はスタンドから、愛するクラブに愛情溢れる眼差しを送リ続ける。

 そんな彼が「メディア席を追い出されたな、ここに座れよ」と冗談混じりに誘ってくれ、ビールまでおごってくれた。フットボールへの愛情と造詣(ぞうけい)が深く、話の引出しが豊富でポロリとかつての所属選手の裏話なども飛び出す。そこらの生半可なコメンタリーなど足元にも及ばぬ至高のエンターテイメントを独占できるのは、まさに至福のひと時だ。

 また次の試合あたり、ダズルズの隣で一緒に試合を観ようかな――。そう思うと、1時間の小旅行も全く苦にならなくなるから面白い。

解説者

植松久隆(タカ植松)

植松久隆(タカ植松): ライター/コラムニスト

うえまつの呟き「我が心のアビスパ福岡が調子良過ぎて、怖い(笑)。記事入稿時点で、な、なんと5位、J1のだよ。鹿島、浦和、東京より上の景色を見ている。もうこうなれば、春の椿事ではすませない。♪博多の男なら、気持ちを見せろ。恐れることはない。さぁ行こうぜ!」

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