第38回 NAT 通告

 

第38回 通告

文・植松久隆 Text: Taka Uematsu


10月の親善試合、オジェック監督は進退伺を懐中に臨むことになるのだろうか(筆者撮影)

9月7日のブラジル戦で0−6という惨敗を喫したサッカルーズ。遠路はるばる首都ブラジリアまで乗り込んでの全く中身のない敗戦。いや、本当に中身がない、評価できるポイントがないの「ないない尽くし」。その結果、もともとほとんどなかったオジェック監督への信頼度も完全に底を突いた。必ずしも、レギュラーばかりとは言えないブラジルに、ティム・ケーヒルの不在以外は、ほぼレギュラー格というサッカルーズは全く歯が立たなかった。彼我の実力差を屈辱的な点差でまざまざと見せつけられ、さすがに試合後には無為無策のオジェック采配に非難が集まった。

オジェックへの不満を書き始めれば、この連載の文字数などあっと言う間に吹き飛んでしまう。ひと言で言えば、「もうこれ以上、無為に時間を過ごさないで」という思い。彼が続投するにしてもしないにしても、今のサッカルーズに無駄にできる時間はないはずだ。進まなかった世代交代の針を少しでも進めるためにも、残りの時間を最大限に利用しなければならない。

現時点では、テクニカル・ディレクターのハン・べルガーをはじめとしたFFAの幹部連は、「まずは10月のフランス戦、カナダ戦の戦いぶりを見てみよう」という考えなのだろうが、その姿勢からして貴重な「時間」ならびに「機会」の無駄である。

カナダはともかく、フランスはブラジルと同じとは言わないまでも、サッカルーズからしてみれば絶対的な格上。しかも彼らの完全ホームで行われる自分の首が懸かる試合で、新しい選手を試したり、若手に多めの出場時間を割いたりするような度胸はオジェックにはない。もし、それができる監督なら、ここまで事態は悪化していなかっただろう。

今さらながら、W杯予選を辛うじて通過した時点で「お役御免」にしておくべきだったと思う。「そうは言っても、W杯出場というノルマは果たしたし、契約がW杯まで残っている」というのが、FFAが彼を解任しない理由だが、事は契約不履行による違約金を払ってでも体制を変え、出直しするしかないまでの事態に発展している。

まぁ、ここで筆者がオジェック批判を繰り広げたところで、何かが変わるわけではない。ただただ、サッカルーズの未来を考える時に「オジェックでは明日がない」との結論は揺るがない。もし、小生がFFA会長であれば、明日にでもオジェックを呼んで通告する、「ホルガー、これまで本当にご苦労さん」と。


【うえまつの独り言】
本文の入稿後、サッカルーズは親善試合のメンバーを発表。守護神シュウォーツァーを外したのはサプライズだが、とにかく、招集した中堅・若手をどれだけプレーさせるかに尽きる。オジェック監督には「内容」と「結果」を同時に示すという難しいタスクに果敢に挑んでもらいたい。
 

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