3連覇なるかWBC侍ジャパン

開幕迫る 野球の世界一決定戦
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)

3連覇なるか、侍ジャパン


正捕手で4番。主将でもある阿部慎之助(左から2番目)が鍵を握る

 2月23,24日の豪州との壮行試合で2連勝しチームの状態も上向きのまま、いよいよ、3月2日からワールド・ベースボール・クラシック(以下WBC)の開幕を迎える野球日本代表“侍ジャパン”。3連覇を狙う日本のWBCでの戦い方など、スポーツ・ライター、植松久隆が解説する。文:植松久隆(スポーツ・ライター)

大リーガー抜きの“純国産”

2月20日、山本浩二監督が代表候補合宿を終えて、WBCを戦う日本代表・侍ジャパン28人を発表した。これら日の丸を背負う“28人の侍”に、イチローや黒田博樹(ともにヤンキース)、ダルビッシュ有(レンジャース)といった日本人メジャーリーガーの名前は含まれていない。本来、日本を代表するべき存在である彼らは、開幕直前というタイミングでのWBC開催に対して非協力的なメジャーリーグ全体の流れの中で、所属チームの意向も踏まえ、大会への不参加を決めた。

日本国内でも、2012年7月、大会の利益配分の不公平に疑義を唱え、日本プロ野球選手会はいったんWBCへの不参加を決定。その後、決定は覆るが、今回の3連覇を狙う侍ジャパンの滑り出しは決して順調とは言えなかった。

そんな紆余曲折を経て編成された“純国産”の侍ジャパンを率いるのが、前出の山本浩二監督。日本代表のコーチ経験もあり、広島をリーグ優勝に導いた同監督の手腕に疑いはないが、3連覇を狙う個性派集団をどう御していくかお手並み拝見だ。

正捕手で4番 主将・阿部がカギを握る

山本監督率いる今大会の侍ジャパン最大の強みは、田中将大(楽天)、前田健太(広島)など各球団のエース格がずらりと顔をそろえた投手陣。活きの良い若手本格派がそろった陣容は、ダルビッシュ、黒田抜きでも見劣りはしない。不安を挙げるなら、藤川球児(カブス)不在の抑え。絶対的なクローザーを欠くことは短期決戦の命取りになりかねないだけに、残りの準備期間で数人の候補の中から“守護神”として君臨しうる投手が出てくることを期待したい。

打線は、長距離砲よりはシュアな打撃を重視した人選。日本球界を代表する好打者がそろう打線に大きな穴はない。イチロー、青木宣親(ブルワーズ)に代わってのリードオフ・マンをどちらかが務めることになる長野久義、坂本勇人(ともに巨人)のでき、特に出塁率がチームの攻撃面を大きく左右する。

今大会は、3月2日の第1次ラウンド開幕から20日の決勝までの18日間で、最短でも8試合を戦う“短期決戦”。このような舞台で、チームの明暗を分ける最大の要因は投手力とチームワーク。その意味では、チームのキャプテンで正捕手、打っては4番打者という阿部慎之助(巨人)が、誰よりも重要な存在としてチームの存亡のカギを握る。

3連覇への道は開けるか

侍ジャパンは、3月2日に始まる4チームずつ4プールに分かれての第1ラウンドで、3連覇への道のりを歩み始める。日本は、キューバ、中国、ブラジルとA組に入り、3試合のすべてを福岡・ヤフオクドームで戦う。ここで順当に勝ち上がり、8日からの東京ドームでの第2ラウンドに万全の状態で臨みたい。豪州は、韓国で行われるB組で、韓国に続く2位通過の座を台湾、オランダと激しく争って、何とか第2ラウンドへの進出を果たしたいところだ。

その第2ラウンドは、よほどの波乱が起きない限りは日韓両国を中心に回るであろう。しかし、こういう一発勝負の舞台では何が起こるか分からない。2位通過で上がってくる豪州を含めた各国にも決勝ラウンド進出のチャンスがないわけではない。

いずれにしても、日本は1、2次ラウンドを通じてホームで戦えるという地の利を最大限に生かして、宿敵・韓国を叩いて、堂々の1位通過で準決勝へと駒を進めてもらいたい。準決勝に勝ち上がることができれば、日本3連覇の可能性はグンと上がる。山本監督と阿部主将を中心に、28人の侍が持てる力を存分に発揮できれば、サンフランシスコAT&Tパークのメイン・ポールに日の丸が誇らしげにはためき、グラウンドで宙に舞う山本監督の姿を見られる可能性は高い。

3連覇は決して不可能ではない。頑張れ、日本!

 

■第1ラウンド (福岡・ヤフオクドーム)
A組(日本、キューバ、中国、ブラジル)他
3組
3月2日(土)日本対ブラジル
3月3日(日)日本対中国
3月6日(水)日本対キューバ
上記、すべて福岡・ヤフオクドーム

 

■第2ラウンド 1組 (東京ドーム)
第1ラウンドA組1、2位、B組1、2位
3月8日(金)〜12日(火)

■決勝ラウンド(準決勝/決勝)(米国・サンフランシスコ)
3月17日(日)6PM 準決勝第1試合
【日本時間18日(月)10AM】
3月18日(月)6PM 準決勝第2試合
【日本時間19日(火)10AM】
3月19日(火)5PM 決勝
【日本時間20日(水)9AM】

侍ジャパン 最終登録メンバー (2月20日発表)
投手 涌井秀章(埼玉西武)  能見篤史(阪神)  澤村拓一(巨人)  今村猛(広島)  田中将大(東北楽天)  杉内俊哉(巨人)  前田健太(広島)  森福允彦(福岡ソフトバンク)  内海哲也(巨人)  大隣憲司(福岡ソフトバンク)  牧田和久(埼玉西武)  山口鉄也(巨人)  攝津正(福岡ソフトバンク)
捕手 相川亮二(東京ヤクルト)  阿部慎之助(巨人)★主将  炭谷銀仁朗(埼玉西武)
内野手 鳥谷敬(阪神)  井端弘和(中日)  松田宣浩(福岡ソフトバンク)  坂本勇人(巨人)  松井稼頭央(東北楽天)  稲葉篤紀(北海道日本ハム)  本多雄一(福岡ソフトバンク)
外野手 糸井嘉男(オリックス)  中田翔(北海道日本ハム)  内川聖一(福岡ソフトバンク)  長野久義(巨人)  角中勝也(千葉ロッテ)

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