香川真司vs小野伸二が実現! マンU、豪州に光臨

観戦ガイド

赤い悪魔 マンチェスター・ユナイテッド豪州の地に降臨
「Shinji対決」がシドニーで実現する!
 世界有数のビッグ・クラブで日本代表・香川真司が所属する英国のマンチェスター・ユナイテッド(以下=マンチェスターU)が来豪、小野伸二も選ばれたAリーグ・オールスターズとシドニーで相まみえる。香川、小野の“シンジ対決”の見せ場も期待される対戦を、本紙特約記者でスポーツ・ライターの植松久隆がプレビューする。
世界最高のクラブがやって来る

マンチェスター・ユナイテッド——。誰もが認めるクラブ・サッカーの雄で世界的な人気を誇るメガ・クラブが、豪州の地にやって来る。“赤い悪魔”の異名で知られる名門には、イングランド代表のエース、ウェイン・ルーニー、オランダ代表のストライカー、ロビン・ファンペルシ、ウェールズの生ける伝説、ライアン・ギグスなど、世界的なスーパー・スターが所属。その豪華メンバーには、我らが日本代表の至宝、香川真司も名を連ねる。

マンチェスターUのタイ、豪州、日本、香港、スウェーデンを巡る今年の海外ツアーは、軒並みチケット完売で満員御礼必至だと聞く。日本では親しみを込めた“マンU”という愛称で呼ばれるマンチェスターUの世界的な人気が証明されたわけだが、なぜ、マンチェスターUは世界最高のクラブと言われるのか。それは、先日退任を表明したばかりのサー・アレックス・ファーガソン前監督が、27年もの長きにわたってチームを指揮し続けた間に達成された、輝かしい実績がすべてを物語っている。

ファーガソン前監督は、低迷する名門の監督に1987年に就任以来、リーグ優勝13回を筆頭に、UEFAチャンピオンズ・リーグ優勝2回(1998/99、2007/08)を含む30以上の国内外の主要タイトルを獲得してきた。その27年のファーガソン体制のハイライトは、何と言っても“トレブル(The Treble)”と呼ばれる3冠(筆者注:国内のプレミア・リーグ、FAカップ、ならびに欧州チャンピオンズ・リーグ)を達成した1998/99シーズンだ。

若き日のあのデービッド・ベッカムを擁したチームは、“カンプノウの奇跡”と語り継がれる決勝戦でのバイエルン・ミュンヘンとの激闘を制し、欧州チャンピオンズ・リーグ王者に輝くなど、未だに世界中のサッカー・ファンの記憶に残る最高のチームとして一世を風靡した。爾来(じらい)、マンチェスターUはレアル・マドリードやバルセロナなどと並び、名実ともに世界最高のクラブの1つと称されるようになった。

世界のKAGAWA

今季終了をもってのファーガソン体制の終焉は、マンチェスターUの1つの時代の転換を表す象徴的な出来事である。ベッカムとともに“ファーガソンの雛鳥たち”と呼ばれ、長年チームを支えてきたポール・スコールズは既に引退を表明、もう1人の功労者のギグスも、本人は引退を否定しているが、チームでの去就は定かではない。さらには、ルーニーやリオ・ファーディナンドなど中堅・ベテランの主力選手にも、監督交代のこのタイミングでの移籍の噂が後を絶たない。マンチェスターUというメガ・クラブが一大転換期を迎える来季に、クラブがその中心に据えようと考えているのが、ほかでもない香川真司、その人だ。

マンチェスターUが、香川を獲得した際には、ファーガソン前監督自身の強い引きがあり、監督自身が視察に足を運ぶなど“三顧の礼”で迎え入れた。日本人を獲得した際にいつもささやかれる、いわゆる“商業的な妙味”云々という話は、香川のマンチェスターU入団に関しては、ごく副次的な要素に過ぎない。それでも、日本のファンには、その香川を抑えて、日本代表の中盤の“王様”として君臨する本田圭佑を格上と見る人も少なくないが、世界基準では決してそうではない。クラブ・レベルでは、昨季までをロシアでプレーした(CSKAモスクワ)本田よりも、マンチェスターUでレギュラー格としてプレーした香川の方が世界的な認知度や評価は高い。それだけ、世界有数のビッグ・クラブ、マンチェスターUでプレーすることのステータスは高い。

香川真司は、来季のマンチェスターUの攻撃陣をファンペルシとともに牽引していく活躍が求められている。彼がそれに相応しい選手かをあらゆる角度から試されることになる今回の海外ツアーは、香川にとってはただの興行(日本での試合は凱旋というべきか)ではない。言い換えれば、よほどのケガや体調不良がない限りは、万全の状態でマンチェスターUの前線で攻撃を担い、躍動する香川の姿が見られるということなので、大いに楽しみにしたい。

垂涎(すいぜん)の“Shinji”対決を見逃すな

名門との対決の晴れ舞台で、小野伸二はその存在をアピールできるか(Photo: Richard Luan)

そして、豪州の地でそのマンチェスターUを迎え撃つAリーグ・オールスターズには、日本が誇る“Tensai”小野伸二(WSW)が名を連ねている。ここ豪州シドニーの地で、日本代表として日の丸を背負い、日本中のいや世界のサッカー・ファンをうならせてきた2人の“Shinji”が相まみえることになる。

この対戦の実現は在豪日本人にとって、ただでさえ話題性十分のマンチェスターU来豪に大きな付加価値を与えている。

先日発表されたファン投票ならびにサッカー界の有識者の推薦などに基づいて選出されたAリーグ・オールスターの先発イレブンに、小野伸二は入ることは叶わなかったが、しっかりとMFの交代選手枠には選ばれた。しかも、現時点での選出11人のうち4人(GKを1人含む)がケガや移籍で出場できないことを受けて、20日の試合に先立ち行われる1週間のキャンプの前の段階で、オールスターズを率いるアンジ・ポスタコグル監督が最終メンバーを発表することになっている。その時に、改めて小野がアレクサンドロ・デルピエロ(シドニーFC)らとともに先発イレブンに選ばれる可能性も少なくない。いずれにしても、小野の出場はケガがない限りはほぼ確実なので、2人のShinjiがともに万全で試合に臨むことを期待して待つことにしよう。

マンチェスターU対Aリーグ・オールスターズの対戦はシドニーのANZスタジアムで、7月20日の土曜日午後7時半キックオフで行われる。残念ながら、チケットは完売しているので、チケットを手に入れられなかった方は、FOXが観られるお近くのパブなどで観戦されることをお勧めしたい。マンチェスターUとAリーグ・オールスターズ、そして日本の誇る“シンジ対決”を、何があっても決して見逃すことなかれ。

文=植松久隆(本紙特約記者・スポーツ・ライター)

 

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