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オーストラリアでの仕事探しリアル体験談/海外の就活事情③

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2年間大学生活を過ごしたブリスベン

 オーストラリアでの新たな生活を始める際、仕事探しは重要なステップです。新しい環境で自立し、自己実現を果たすためには、適切な仕事を見つけることが不可欠。しかし、前回までの連載で述べたように、オーストラリアでの仕事探しは簡単なことではありません。異なる文化や制度に慣れる必要があり、競争も激しいのが現実です。そこで、今回は、オーストラリアでの仕事探しの方法や、どのように仕事を見つけたかなど、私の体験談を紹介します。
(文・写真=沖あやか)

 私は日本の高校普通科を卒業後、ファウンデーション・スクールを経てオーストラリアの大学で3年間観光学を専攻しました。ファウンデーション・コースとは、大学進学準備のためのプログラムで、半年から1年間で高校までの基本的な知識やスキルを身に付けます。高校卒業後、私は新型コロナウイルスの影響でオーストラリアに入国できず、オンラインでの学習をスタートさせました。そのため、2022年2月にオーストラリアに到着するまで、日本の大学生と同じように衣料店やパン屋でアルバイトを経験しました。そして来豪してから1カ月後、ブリスベンでアルバイト探しを開始しました。

ブリスベンで仕事を獲得した方法

 ブリスベンに到着してから、日豪プレスなどのウェブサイトを活用して5件くらいの仕事(ジャパレス)に応募しました。今思えば信じられませんが、すぐに全ての求人先から返事が来ました。また、どの雇用先も労働法に従った金額以上を提示しており、日本での時給と比べると驚きの金額でした。応募する際、レジメには主に日本でのアルバイト経験や大学での学業内容、IELTSのスコアと英検の級数を記載しました。その後、採用までのプロセスが始まり、数日で返信が来るなど比較的スムーズに進みました。当時を振り返ると、国境がまだ開かれて間もない時期だったため、同じように職探しをしている日本人が少なく、求人への競争率が低かったと思っています。

メルボルンでの仕事探し

 2023年10月ごろから住み始めたメルボルンでも、同じようにウェイトレスの仕事にいくつか応募しました。日系ウェブサイトや一般的な求人サイトからの応募を試みましたが、応募に対する返信がない企業が多く、採用までのプロセスが順調に進まず、苦戦しました。面接に伺っても、トレーニング期間は時給が16ドルなど違法な給料提示が数度あり、適切な雇用条件を見極めることが必要でした。メルボルンは大都市で、多くの人が仕事探しをしているため、オーナーが強気な姿勢で求人をしていると感じました。また、レジメ配りなどをやってみましたが、それでもなかなか上手くいきませんでした。レジメの内容は何度もオーストラリア人に確認してもらい、ブリスベンで仕事探しをした時よりかなり改善していました。ブリスベンで簡単に仕事を見つけることができたのに対して、メルボルンでの仕事探しは、さまざまな試練に直面しました。

 結果的には、何件かの採用を勝ち取ることができました。それは自身の経験に関連したものでした。例えば、以前衣料品店で働いていたことが同等の仕事を見つけるのに役立ち、ブリスベンでウェイトレスとして働いていた経験が同様の仕事に就く機会につながりました。日本では未経験でも採用されることがありますが、オーストラリアでは経験がないと仕事を見つけるのが難しいと感じました。

実際に試みた応募方法

 レジメ配りとオンライン応募の両方を試みましたが、自分にとってはオンライン応募がより効果的でした。レジメ配りでは、1日に応募できる数が制限され、また初対面の人と話す際に緊張してしまい、アピールしたいことがうまく伝えられませんでした。そのため後悔することがあったので、オンライン応募に切り替えることを決断しました。これまでの私の仕事はオンライン応募によって採用につながっています。ただし、これは個人の性格や環境によるものであり、応募方法の選択肢には個人差があると思います。

 私がレジメを書く際に気を付けていたポイントは、まず簡潔な自己紹介をトップに置き、自分のスキルや特徴を明確に示しました。情報を簡潔かつ目に付きやすくすることで忙しい店のオーナーでも自分のレジメを手に取って確認してもらえることができると考えました。次に、過去の仕事経験を時系列に並べ、どのような仕事をしていたかを詳細に記載しました。更に各経験から得たスキルや成果を箇条書きで具体的に示し、採用担当者の興味を引くよう工夫しました。例えば、ウェイトレスの経験を記す際に、どのようにプロフェッショナルなサービスを提供できるかを具体的に示すようにしました。また、カバーレターを企業ごとに適応させ、その企業へのアピール・ポイントを箇条書きでまとめることも重視しました。

 オーストラリアで新たな生活を始める際、仕事探しは決して容易なものではありませんでした。何より日本とは異なる文化や制度に慣れ、競争の激しい状況で悩むこともたくさんありました。ただ1つ言えるのはオーストラリアで仕事を見つけるには時間が掛かるのではないかということです。私は辛抱強くいろいろなことに挑戦したのが功を奏しました。

 次回からレジメの書き方など、就職活動に即した具体的な内容をお届けしようと思っています。私の経験が少しでも皆様の役に立てますように。

自身のセールスポイントを作ろうと思い、日豪プレスでのインターンをスタート。その経験により、メルボルン・カップの取材などさまざまな機会を得ることができた





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