年間王者は!? Aリーグ・ファイナル・シリーズも佳境─ガッツあふれるプレーで頂点を目指した日本人フットボーラー前編/日豪フットボール新時代 第166回

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闘志あふれるプレーと気さくな人柄で背番号7は多くのファンに愛されるクラブの顔となっている(Photo: Nino Lo Giudice)


 今季のAリーグは、男女ともにファイナル・シリーズが順調に消化され、佳境を迎えつつある。当稿校了時点で、Aリーグ・ウィメンではレギュラー・シーズン4位のブリスベン・ロアの林萌々(31)が、ホームでのセミ・ファイナル第1戦(5月3日)はゴールを含む大活躍で勝利に貢献するも、翌週のアウェイの結果を受けてわずかに及ばず、セミ・ファイナルで涙を飲んだ。

 今季でブリスベン所属2年目となる林。24/25シーズン前にブリスベン入団が発表された際には、彼女をよく知るブリスベンのフットボール界隈から「ようやく」「遅過ぎたくらい」との声が多く上がった。彼女が、NPL(QLD州1部)で見せ続けた圧倒的なクオリティーと存在感からすれば当然のリアクションだった。

 大けがを乗り越えて、自ら熱望していた国内トップリーグでのプレー機会を得た彼女はまさに水を得た魚。その実力とあふれる情熱をピッチ上で存分に発揮して期待を裏切らないパフォーマンスを見せた。初年度から5得点2アシストと大活躍で、そのガッツあふれるプレー・スタイルで多くのファンの心をつかんだ。

 2年目の今季、林はチームの中でも最も替えのきかない存在としてシーズンを通して獅子奮迅(ししふんじん)の活躍を見せた。160センチメートルと小柄ながら、中盤の底でボール奪取に体を張り、競り合いでは体格に勝る相手に1歩も引けを取らない。チャンスと見るや駆け上がり、ゴールまで見通せたら思い切りの良いミドルを放つ。試合を追うごとにその存在感は高まるばかりだった。

 ファイナル初戦のホームの熱い声援を背に戦ったセミ・ファイナル進出決定戦では、ゲーム・キャプテンとして腕にキャプテン・マークを巻いて躍動。攻撃の起点になるだけでなく、フィニッシュでもあわやの見せ場も作り、チームの3─1の勝利に大いに貢献するMVPと言ってもいい活躍を見せた。

 
 そして迎えたセミ・ファイナル初戦、開始早々に先制されたチームの息を吹き返させたのが、ピッチ上で最小の林の魂のヘッド。チームを鼓舞しながら90分間戦い抜き、勝利の瞬間に大きく両手を挙げて喜びを表現した林は、2戦連続のMVP級の大活躍で年間王者の座まであと2つまで迫ったのだったが──。ここから先は次回に詳報するとして、ひとまず本稿を終わりとしよう。

植松久隆(タカ植松)

ブリスベン在住のライター/コラムニスト。日豪フットボール関係を軸に、現地視点で競技の背景と熱量を描く。スタジアムとコミュニティーを往復する観測者。日豪プレス以外にも日本のメディアで執筆。妻はオージー、2児の父





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