シーズンを終えたAリーグ・ウィメン─ガッツあふれるプレーで存在感発揮の日本人フットボーラー・林萌々 後篇/日豪フットボール新時代 第167回

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キャプテンとしての責任感がゆえに、大事な試合の途中交代を悔いている。その悔しさを糧に、来季の更なる飛躍を誓う(Photo:Nino Lo Giudice)

 今季のAリーグは既に男女ともシーズンを終えている。女子はメルボルン・シティがグランド・ファイナル(GF)を制して、レギュラー・シーズン王者(プレミアシップ)との2冠を達成。男子は、オークランドFCがGFを制し、初めてAリーグのトロフィーがタスマン海の向こう側へと渡った。

 前回から引き続いて取り上げるブリスベン・ロアの林萌々(31)は、残念ながらGF進出は果たせなかった。ホームでのセミ・ファイナル第1戦(5月3日)を2─1で制して敵地に乗り込んだロア。林はキャプテンとして先発出場したものの、予期せぬケガで相手にリードを許したまま67分に途中交代を余儀なくされた。90分を終えてもスコアは動かず、2戦合計ドローの対戦は勝者を決める延長戦へ。ホームの大声援を背に果敢に攻め込む相手をなんとかしのいでいたロアだったが、一瞬の隙を突かれてウェリントンに勝ち越しゴールを許す。2戦合計2─3となり、悔しい敗戦を喫した。

 敗戦を告げるホイッスルをベンチで聞かなければならなかった林の心中をおもんばかると、チーム・メイトの奮闘をベンチから叱咤激励するしかできなかった無念さは容易に想像できる。実際、後日、その時の心境を尋ねると、

 「不甲斐ないという思いが1番。キャプテンでもあり、自分がチームに与える影響力をすごく意識していたし、調子も良かったので、負けた悔しさよりも自分が最後までプレーできなかった悔しさの方が大きい。不完全燃焼に終わったこの敗戦はしばらく引きずってしまいそう」と、偽らぬ本音を吐露してくれた。

 もちろん、林はこのままでは終わらない。

 「もし来季もプレーできるなら(筆者注:来季の契約は現時点では未定)、今年の悔しさを糧にして何としてもタイトルを獲りたい。個人としても、もっと若手にアドバイスしていきたいし、90分走り抜ける体づくりをして来季に臨みたい。やっとAリーグでプレーできるようになって、ここ数年はこれまでで1番楽しくプレーできているので、それをできる限り長く続けられるようにしたい」と、既にその視線は来季、そしてその先をしっかりと見据えている。  短いオフを終えた林は、元々の所属であるNPL(QLD州1部)のゴールドコースト・ユナイテッドとシーズン終了までの契約を結び、既にピッチに戻っている。今こそが自身のキャリアの成熟期だと感じているからこそ、彼女に立ち止まっている暇はない。気迫あふれるプレー・スタイルそのままに、フットボーラーとしての歩みにも一切妥協しない林萌々。その挑戦から、これからも目が離せない。

植松久隆(タカ植松)

ブリスベン在住のライター/コラムニスト。日豪フットボール関係を軸に、現地視点で競技の背景と熱量を描くスタジアムとコミュニティーを往復する観測者。日豪プレス以外にも多くの日本のメディアで執筆

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