「オーストラリアとの連携強化が太平洋の安全を守る力になる」──シドニー寄港の海上保安大学校練習船「いつくしま」溝口直樹船長インタビュー

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溝口直樹船長(海上保安大学校教授

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 海の安全をめぐる日豪協力の意義について、練習船「いつくしま」の溝口直樹船長(海上保安大学校教授)に聞いた。(聞き手:守屋太郎、写真:馬場一哉)

──日本とオーストラリアの戦略的関係が深まる中、海上保安庁の役割についてどう考えていますか?

溝口船長:私たちは海の法執行、警察、消防といった役割を担う機関です。そうしたことを確実に実行するためには、各国間の連携が非常に重要になります。特に今、法の支配に基づく枠組み「フリーダム・オブ・インド・パシフィック」(FOIP=自由で開かれたインド太平洋)の中で、太平洋を取り巻く法執行機関同士の連携が、非常に重要になっています。

 同じ海を守る各国が連携しなければ、一体となって法を執行することはできません。そうした意味で、この太平洋を取り巻く国々、特に日本、オーストラリアは離れていますけれども、その間に太平洋があるのは間違いないと思いますので、この関係を非常に強化しています。

 もちろんアメリカ、カナダ、そういった国々も含めて、各国がしっかりと連携を取りながら、1つになって海を守っていくということが非常に大事ですね。そこに力を入れるという意味で、今回も(シドニーに)寄港させていただいています。

──約3カ月の長い航海の中で、練習船がオーストラリアに寄港した意義を聞かせてください。

溝口船長:昨年に続いて今年も寄港したのは非常に意義深いことだと思っています。それまで会議の場では、お互い(海保とオーストラリアの当局者)がよく一緒になります。ただ、実際の現場勢力同士がこうやって密接に会って、いろいろお話をするという機会は、やはり船が寄港しないとなかなか実現しません。

 それが昨年、今年と連続してできたとことで、一気に関係機関、特に国境警備隊の方、海上警察の方との連携が一層強まって、お互い理解が深まりました。それが、ひいては太平洋全体の安全・安心を守る力になると思っています。

 今日も実習生がたくさんいろんな人と交流しています。これが絶対に今後につながっていくと私は確信しております。そういったところで大きな意義があると思います。

──オーストラリア国境警備隊(ABF)とはどのように協力していますか。

溝口船長:例えば、太平洋諸国に対する「キャパシティ・ビルディング」(能力付与)ですね。太平洋の島国も法執行をしっかり行えるように、訓練や協力で日本とオーストラリアが連携しています。この5月に、オーストラリアで関連のワークショップが開かれた時には、日本から海上保安庁の専門家が来て講義しました。そうした形で、関係国に対する技術的な指導も連携して行っています。

 今回、日本の海上保安庁の練習船がオーストラリア・シドニーに寄せていただきました。これは、我々海上法執行機関が国を越えて連携する非常に大きな機会だと捉えています。私たち海上保安庁、日本の海の周辺を守る組織ですけれども、みんなと一体となって太平洋の安全・安心に寄与していきたいと思っております。日本とオーストラリアの関係、非常にこれから強くしていきたいと思っております。ぜひまた我々とともに、オーストラリアの方と一緒に、いろんな仕事ができるのを楽しみにしております。

──本日はありがとうございました。今後の連携にぜひ期待しております。

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