オーストラリアに遠洋航海実習「たくさんの人を影から幸せにできる海上保安官になりたい」──海上保安大学校実習生 河崎智則さん

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 遠洋航海実習でシドニーを訪れた海上保安庁の幹部候補生・河崎智則さんに、航海中の船内生活や各国関係機関との交流について聞いた。(聞き手:守屋太郎、撮影:馬場一哉)

Q:海上保安官になろうと思ったきっかけは?

河崎さん:私の地元・大阪の知り合いが海上保安庁に入庁して、潜水士になったんです。「カッコいいな!」と思って、私も海上保安庁に入ろうと。

Q:5月に呉を出港してから2カ月。ずっと太平洋の大海原を航海してオーストラリアにやってきました。毎日の船内の生活はどんな感じ?

河崎さん:朝起きると、まず実習生全員で食事の準備をします。その後、みんながそれぞれ3時間ごとのグループ作業に分かれていきます。それが終わったら、実習生同士でトレーニングしたり、勉強し合ったりします。決められた時間になると一緒に入浴します。

Q:風呂の水は海水ですか?

河崎さん:海水を淡水化した真水のお湯です。

Q:陸上と同じように普通に風呂に入れるんですね。ところで船内でお酒は飲めるの?スマホは使ってもいいの?今の若い人はスマホがないと生きていけないと思いますが(笑)。今は太平洋のど真ん中でも、スターリンク(米スペースXの衛星インターネット・サービス)の電波が届きますよね。

河崎さん:船内での飲酒は禁止です。こういう場(寄港時の式典など)で、少し楽しむ程度ですね。普段は飲めないです。スマホは普通に使っていますよ。

Q:陸上生活と比べて、一番苦労することは何ですか?

河崎さん:(海上保安大学校で)寮生活をしていましたが、この密閉された船の中での集団生活は、お互いを尊重し合って協力していかないと運航が成り立ちません。十人十色の実習生が乗っていますので、全員で協力して船を運航するというのが、やはり大変だと思います。

Q:船内での河崎さんの任務は?

河崎さん:機関科に所属し、エンジン・ルームで、船が安全に運航できるように整備や機器の点検などをしています。

Q:エンジンが故障して船が動かなくなったら大変ですから重責ですね。世界の街に寄港した時の一番の楽しみは?

河崎さん:おいしいご飯とお酒です。仲間と飲んで食べるのが一番の楽しみです。普段よりもだいぶ財布の紐は緩んでしまいますね。おいしいものを食べて、お土産をいっぱい買って。

Q:寄港先では、その国の海上保安庁のような組織の職員とどのような交流をしていますか?

河崎さん:カナダでは、私の部屋にカナダ・コーストガード(沿岸警備隊)の学生が乗ってきました。まず(いつくしまの)船内生活を一から英語で教えた後に、寄港地で一緒にご飯を食べに行って、お酒を飲みました。士官としての立ち振る舞いやリーダーシップの重要性について、話し合ったりしました。現地のアイスホッケーを観戦できる酒場に連れていってもらって、試合の説明を聞いたりしました。

Q:英語が得意なんですね。

河崎さん:高校生の時、オーストラリアのゴールドコーストに留学した経験がありまして。

Q:最後に、どんな海上保安官になりたいか。将来の抱負を聞かせてください。

河崎さん: 私は憧れてこの組織に入りましたので、誰よりも人の役に立ちたいという気持ちが強いです。日本の将来を担えるような、たくさんの人を影から幸せにできるような海上保安官になりたいです。

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