日豪両国ともにラウンド32で散り、新しい景色は4年後にお預け。大いに盛り上がるFIFA W杯北中米大会2026の中間レビュー/日豪フットボール新時代 第168回 

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あまりに試合直後で敗戦前提で用意されていたように思えたが、サッカルーズ公式SNSに応援への感謝表す投稿が上がった(サッカルーズ公式Instagram)

 熱戦が繰り広げられるW杯北中米大会。史上初の3カ国共催となった今大会は、当稿執筆時点でラウンド32が終わり、16強が出揃ったところだ。日豪両国は共にラウンド32で敗れ大会を去り、39日にわたる長い戦いにひと区切りが着いた。これから世界最高峰のハイレベルなフットボールを存分に堪能するフェーズに入る前に、まずは日豪両国の戦いぶりをざっと振り返っておきたい。

 まず日本。大会前から主力のケガが相次ぎ、大会直前には主将・遠藤航が離脱、更に久保建英の負傷欠場も重なりながら、それでもラウンド32まで勝ち上がった。しかし、その相手はできれば避けたかったブラジル。結果や内容をここで蒸し返すつもりはないが、ただ1つ言いたいのは「とにかくベスト・メンバーで対戦させたかった」ということだ。

 今回の敗戦で、まだまだ彼我(ひが)の差は大きいと痛感させられた。またしても決勝トーナメント初戦で涙を飲むことになり、2大会連続で結果が出なかった森保一監督の続投が大会直後から囁かれているのには、正直、首を傾げざるを得ない。

 8年にわたる多大な貢献と、日本代表を世界で戦えるレベルまで引き上げた功績には大きなリスペクトを払った上で、日本が“新しい景色”を本気で見に行くなら、世界の最前線を知る新体制で再スタートを切るべきだと強く思う。

 そしてサッカルーズ。エジプトとのラウンド32はPK戦までもつれたが、PK戦直前でのキーパー交代、更に疲れ切った18歳のDFルーカス・ハリントンに重圧の掛かる4番手を任せるという謎の判断によって、あと1歩に迫っていた勝利がスルリと滑り落ちてしまった。あれだけ当たっていたパトリック・ビーチをPK戦で起用しなかったこと、スタメンの人選や用兵などトニー・ポポヴィッチ監督の采配には大会期間中ずっと疑問符がつきまとった。それでも大会直後には続投が発表されたポポヴィッチ監督が、今後どのように大会を総括して、新たなチーム作りに着手していくのか注目だ。

 6カ月後にはアジア王者を決めるアジア・カップが迫っている。日豪両国が再び熱戦で顔を合わせることになるが、その時それぞれの代表チームはどんな戦いを見せてくれるのだろうか──。いや、今はそんな先の話より、残りのW杯を全力で楽しむことに集中したい。

 フットボールの至高の愉しみを毎日提供してくれるW杯。その大会の閉幕まで、徹底的にフットボールの愉悦に浸り切ることにしよう。

植松久隆(タカ植松)

ブリスベン在住のライター/コラムニスト。日豪フットボール関係を軸に、現地視点で競技の背景と熱量を描くスタジアムとコミュニティーを往復する観測者。Nichigo Press以外にも、多くの日本のメディアで執筆

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