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子どもたちに伝えていきたい─羽田空港の衝突事故で感じたこと/オーストラリア教育あれこれ

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 2024年、新年度が始まりましたね。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 2024年のお正月を日本で迎えました。皆さんもご存じの通り、元旦に北陸で大地震があり、2日には羽田空港で衝突事故があって、一時日本は騒然としていました。そんな中、早い段階からXやFacebook、インスタグラムなどのSNSでは被災者同士の連絡用にメッセージ交換や、助けを求める声の発信、義援金募集などがアップされていました。

 しかし、その中には被害者を装って助けを求める人や、どこかのメディアから流用した写真をアップして嘘の発信をするような人もいたそうです。多くの人がどうにかして助けてあげたいと思っていたため、知らずに拡散してしまった人もいたと思います。

 情報の取捨選択が大事だと思いました。何かが起きた時、まず状況把握をしなければなりません。自分の目や耳で確認できれば良いですが、そうでない場合はスマホなどで情報を探します。どの情報を選び、それをどう使って何をするのか、自分で決めなければなりません。

 この一連の作業は、学校のワークなどをこなす時と似たような流れだと思います。

・課題が与えられたら、まず自分がリサーチする目的とテーマを決める。
・インターネットや本などで情報を集める。
・集めた情報から有用なもの、必要なものを選ぶ。
・選択した情報を分析し、まとめ、結果を導く。
・結果を実際の場で役立てる、生かす。
・うまくいかなかった場合、原因を分析してまた元に戻ってやり直す。責任は自分で取る。

 勉強するということは結局、生きていくための術を学んでいるのだと改めて実感しました。羽田の航空機事故も普段からのCAの訓練が大勢の人の命を救いました。これも日頃の訓練をしていたからですね。当たり前のことではないと思いますが、CAのような特別な仕事をしていなくても日頃の訓練や姿勢が生きてくると強く感じました。

 地道に繰り返して行うことが、自分たちを守り命を救うということを子どもたちにも伝えていかなければならない、それが周りの大人たちの仕事だと思います。

 年末年始、海外から日本に旅行に来ている人もたくさんいました。SNSで流れた情報を英訳している人がいました。多言語教育はそんな時に人の命を救うことができるということも、子どもたちに伝えていきたいと思います。

回答

内野 尚子

在豪26年。デイケア、プリスクールAuthorizedSupervisor、補習校の教師兼代表を経て2007年UniversalKIDS設立。19年よりオンラインで保護者や教師向けのバイリンガル教育や子育てアドバイスも行なっている。
Web: universalkids.com.au

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