第7回 ロングステイ・ビジネス・ビザの落とし穴(2)

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これだけは知っておくべき!

豪ビザ入門

海外でキャリアを築くために欠かせないのが、ビザ設計。オーストラリアで取得できるさまざまなビザに関して、これだけは知っておくべきというポイントや注意点をプロに学ぼう。

第7回 ロングステイ・ビジネス・ビザの落とし穴(2)

ここ数年、ロングステイ・ビジネス・ビザ(サブクラス457)は、頻繁に変更されております。そのため、現在適用されている法律がどのようなものか一般的には十分に理解されていないのが現状です。したがって、以前の移民法に基づいて申請し却下されるケースも多く見受けられます。ビザが却下される原因の1つにトレーニング・コード(研修記録)があります。移民局はオーストラリア人の労働者の「質」を向上させるために、スポンサーする会社に対し、会社の総人件費の1%以上を研修費用として支出することを義務付けております。また、その費用額が毎年会計年度で維持されている必要があります。この研修費用の基準に認められる支出は以下の通りです。

 
① 組織内で行われる社員研修において、オーストラリア市民および永住権所有者の従業員を対象とした科目か、TAFEまたは大学に通っている者に対して支払われるコース費用。
② 組織内で行われる社員研修において、オーストラリア市民および永住権所持者の従業員を対象とした科目か、TAFEまたは大学に通っている者に対して奨学金の提供。
③ 事業規模を考慮した上、一定数の研修生および新規卒業者の雇用。
④ オーストラリア市民権保有者および永住者である従業員の研修を主に行う者の雇用。
⑤ 社員研修のために外部から講師を招いた際の費用。

また、定まった時間枠の中で企業内研修(One the Job Training=OJT)を行い、かつ各段階で以下の証明ができることも条件となります。多くの日系企業がこのOJTを採用しております。

 
①各段階で従業員の習得効果が示せること。
② 従業員の進捗状況を確認し、かつ評価もできること。
③ 提供されているプログラムがどのようにスキル向上に役立つかを示せること。
④ 資格を持った講師がプログラムを作成し、かつ評価基準を定めること。
⑤ 従業員が職業およびスキル向上に役立てられること。

重要な法律ですのでスポンサー企業は研修については十分に理解しておく必要があります。

移民局の認める1%の研修費の内訳は、毎年厳しくなっております。2〜3年前までは従業員が日本に出張して会議をしたり、研修を受けたりした場合、飛行機、ホテル、日当などをこの1%の費用に算入することが認められておりました。しかしながら、今は担当者にもよりますが、この経費が認められないケースがいくつも出てきています。具体的に、かつ詳細な資料を提出しない限り認められなくなりました。研修の記録は、今後、会社の重要なスポンサーシップを認められるか否かの鍵を握っております。このたいへん難しい「落とし穴」に落ち込まないよう、申請担当者は十分に注意し準備する必要があります。


日本ブレーン・センター・オーストラリア社長 山口正人
シドニーで日本人に向けたビザ申請代行・ビザコンサルティングなどを行う、(株)日本ブレーン・センター・オーストラリアの創設者。豪州のビザ事情を知り尽くす。

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