第8回 ロング・ステイ・ビザの落とし穴(3)

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これだけは知っておくべき!

豪ビザ入門

海外でキャリアを築くために欠かせないのが、ビザ設計。オーストラリアで取得できるさまざまなビザに関して、これだけは知っておくべきというポイントや注意点をプロに学ぼう。

第8回 ロング・ステイ・ビザの落とし穴(3)

ロング・ステイ・ビジネス・ビザ(長期滞在ビジネス・ビザ:サブクラス457)は、おそらくビザの中で申請を成功させるのが最も難しいビザと考えられます。その原因の1つには、オーストラリアの経済状況や政党が変わる時に、その影響を最も受けやすいからです。5〜6年前までは、日本にある会社(または海外にある会社)がオーストラリアに現地法人を設立し営業活動を始める際、オーストラリアに赴任する駐在員のビザは東京にある大使館に申請書類を出しました。

しかしながら、ここ2〜3年は東京のオーストラリア大使館よりは、中国の北京にあるオーストラリア大使館に書類を提出することが多いようです。移民法で、日本の会社の書類はすべて北京へ提出しなければならないと決まっているわけではないので、東京で受け付けをするケースもあります。いったん東京のオーストラリア大使館で申請書類を受理した後、その書類が北京に送られるケースもあります。

このような変則的な申請の流れはオーストラリア国内にある長期滞在ビジネス・ビザの担当者でもつかみづらく、問い合わせの際の対応もたいへん混乱しています。

日本からの申請とオーストラリアにある現地法人からの申請の違いは以下の通りです。

(1) オーストラリア初進出となる企業の場合、サブクラス457ビジネス・ビザのスポンサーシップに必要となる過去1年間のトレーニングの記録は免除されます。その代わり、今後の詳細な事業計画およびオーストラリア人従業員のトレーニング計画の提出が義務付けられています。

(2) ビジネス・ビザ申請者(とその家族)の健康診断は、申請者と家族がオーストラリア国内にいる場合は事前に受診が可能ですが、国外にいる場合はビジネス・ビザの移民局提出受領後に発行されるリファレンス番号が健康診断の際に必要となっています。

(3) オーストラリア法人の場合、1年以上のオーストラリアでのビジネスの実績ができると、次回のビジネス・ビザ申請のスポンサーシップは、オーストラリア法人がすることになります(その際、過去1年間のトレーニング記録などを移民局に提出する必要があります)。

(4) 申請者がオーストラリア国内にいる時は書類を提出することができません。ただし、ビザが承認された場合は、国内でも国外でもそれを受理することができます。

(5) オーストラリア国内にある企業が457を申請する場合、オンライン・ロッジとなります。ただし、北京への申請は書類申請となりますので、オンラインに比べたらかなり日数がかかることが多いようです。

この違いは、ビザのエージェントや移民局の担当者でも経験がないために理解していないことが多く、間違ったアドバイスも少なくないようです。間違った指示に従うと、思いもよらぬ「落とし穴」に落ち込む可能性もありますので十分にご注意ください。


日本ブレーン・センター・オーストラリア社長 山口正人
シドニーで日本人に向けたビザ申請代行・ビザコンサルティングなどを行う、(株)日本ブレーン・センター・オーストラリアの創設者。豪州のビザ事情を知り尽くす。

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