第14回 一時就労(技術)ビザの落とし穴(10)

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これだけは知っておくべき!

豪ビザ入門

海外でキャリアを築くために欠かせないのが、ビザ設計。オーストラリアで取得できるさまざまなビザに関して、これだけは知っておくべきというポイントや注意点をプロに学ぼう。

第14回 一時就労(技術)ビザの落とし穴(10)

長期滞在ビジネス・ビザ(サブクラス457)は、法律改正が特に多いため、移民局の担当ケース・オフィサーもその変更についていけないことが多いようです。通常、移民局では法律が改正されればケース・オフィサーは必ずその改正のトレーニングを受けます。もしオフィサーが新しい法律の解釈を間違い、本来承認されるべき申請を却下した場合、オーストラリアの法律ではその却下を不服として上告する制度があり、しかも頻繁に行われています。

最初に上告するのはマイグレーション・リビュー・トリビューナル(Migration Review Tribunal=MRT)です。ちなみにMRTでは最終的な結果が出るまで、12カ月から18カ月かかります。最新のデータによるとMRTで審議されたケースの約40%は移民局の判断の間違いということでその決定が覆されています。もしこのMRTで移民局の判断が覆らない場合は、さらに上告することができます。それは移民大臣直轄組織が行うものでミニストリアル・インターベンション(Ministerial Intervention)という制度です。MRTの判断に対して不服の場合、この制度を利用して審議してもらうことができます。

オーストラリアの移民法は非常に公平なものと考えられています。MRTやミニストリアル・インターベンションのような法制度が設けられているのは非常に健全です。移民局のケース・オフィサーも人間であるから間違いを犯す可能性があり、その可能性があるから法律で正すわけです。しかし一般的に日本人は国や法制度に対して異議を申し立てるという考え方に慣れていません。実はこのみだりに上告をするべきではないという日本的な考え方が日本人の陥りやすい「落とし穴」となっています。

日本的な考え方でこのオーストラリアの移民法に対応するのではなく、自分の主張をしっかり行うという考え方で移民法を考えることをお薦めします。上告するという行為は決して特別な行為ではなく、オーストラリアではごく一般的なビザの申請手続きの一部と理解してください。


日本ブレーン・センター・オーストラリア社長 山口正人
シドニーで日本人に向けたビザ申請代行・ビザコンサルティングなどを行う、(株)日本ブレーン・センター・オーストラリアの創設者。豪州のビザ事情を知り尽くす。

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