シドニーで求人広告を出しました。

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Q: シドニーで求人広告を出したところ、一時居住ビザ申請中の新卒者からの応募が多数ありました。ビザのステータスが定かでない人材の雇用は避けたいのですが、個人の永住ビザの取得が難しくなっている中、これからはそのようなことをもう言ってはいられないのでしょうか。
(41歳男性=人事担当)

A: 度重なる移民法の厳格化で、オーストラリア留学後に個人の力で永住ビザを取得できる新卒者が減少しています。多くの優秀な留学生がオーストラリアでの就職を断念し帰国するケースが珍しくありません。一方、企業が優秀な人材を求めるのは今も昔も変わりませんが、多くの企業では求人の際、依然として永住権保持を条件にしながら、優秀な人材の確保が難しくなってきたという声をよく聞きます。永住権保持者が減少している現実と永住権保持者を求める企業の意識との間にギャップがあるように見受けられます。

最近、オーストラリアに進出してくる企業の中で、優秀な人材であれば必ずしも永住権保持者にこだわらないという考えで、留学生が取得しやすくフルタイムで就労可能な新卒者ビザ(Subclass 485)保持者や、申請者まで選考の幅を広げ、優秀な人材を確保できたという例が増えています。

新卒者ビザは認可から1年半有効ですが、ビザ申請から認可までの審査期間が現在1年あるいは1年以上かかり、通常、審査期間中もフルタイムで就労できるため合計約2年半はフルタイムで働くことができます。

その間、企業側としては能力を見極める時間が十分にあるので、優秀な人材には新卒者ビザ失効前に、最長4年間就労可能なビジネス・ビザ(Subclass 457)をスポンサーして働き続けてもらい、さらに十分な成果を残してもらえれば、雇用主指名永住ビザ(Subclass 856)のスポンサーも前向きに検討するという考えです。

今後は新卒者ビザ保持者採用の成功例が増加していく中で、他社に優秀な人材を譲らないためにも、永住権保持を採用の条件に掲げる企業が減り、永住権保持者にこだわる採用活動は次第に過去のものになっていくでしょう。

実際、長くオーストラリアで営業してきた企業の中でもこうした動きが始まりつつあります。留学後は新卒者ビザで就職、そして将来、永住権を取得するという形は、既に仕事が決まっている人に対して優先的に永住権を発給するという、まさに政府が掲げる「需要主導型」の移民政策の方針と一致しています。

2011/12年度の移民受け入れ計画では、人手不足感が強まる産業界の現状や高齢化社会の進行に伴う生産人口の減少を受け、特に指定地方での雇用主指名ビザの発行枠拡大を軸に移民受け入れ数は増加しました。「留学→就職→永住権」の新時代の中で、企業が1人でも多くの優秀な新卒者に就職のチャンスを提供できるよう願っています。


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飯田求(いいだもとむ)
スタッフ・ソリューション・オーストラリア

モナシュ大学卒業後、2002年に移民コンサルタント資格取得。事業主・ 投資家などのビジネス・スキル・ビザ、雇用主指名永住ビザや長期滞在 ビジネス・ビザを中心に幅広くアドバイスしている。現在は法人へのコ ンサルティングを主に担当。MARN(移住手続き代行業者登録番号): 0213050

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