NSW州政府大臣がVIC州政府の州境閉鎖に苦言
全豪オープン・テニス開幕に向けてメルボルンには世界中から1000人を超えるエリート選手とサポートが集まってくるが、一方で、VIC州政府はNSW州、QLD州を赤橙緑の三色で色分けし、大シドニー地域は赤に指定して厳しい州境規制を敷いている。
1月15日、NSW州政府のアンドルー・コンスタンス運輸相が、「VIC州のダニエル・アンドルーズ政権の州境規制でビジネスや貨物輸送にも支障が出ており、大勢の家族が会えないでいる。国際的なイベント主催のために正常化を維持するというのは理解できるが、規制に一貫性が欠けるのではないか」と批判している。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
さらに、コンスタンス運輸相は、「2021年の1年間、州境規制発動の条件については一貫性がなければならないと思う。そうでなければ単に雇用を損なうだけになる」と語っている。
海外からメルボルンに航空機で集まってくる1200人近い選手とスタッフは、来月の全豪オープンを控えてメルボルン市内で2週間の隔離に入っている。
さらに、アラン・ジョイス・カンタス航空会長も論争に加わり、「テニスのために、コロナウイルスがはびこっている国の選手を入国させ、海外や他州にいるオーストラリア国民には帰国や帰宅を待てというのはむごいだけでなく異様な話だ。大シドニー地域住民に対するVIC州政府の態度は現実のリスクに釣り合わない厳しいものだ。シドニー・ノーザン・ビーチーズ・クラスターが発生して以来、カンタス社とジェットスター社は3,000便近いフライトを取り消した。取り消されたフライトのすべてに旅行計画をご破算にされた大勢の人々がいる」と語っている。
現在、オーストラリア政府が敷いている規制では、全豪オープン参加の選手も他の航空旅客同様搭乗前に検査を受けて陰性の判定を受けなければならない。しかし、選手らは14日間の隔離中も1日に5時間、練習のために自室から出ることを認められている。また、選手らは毎日コロナウイルス検査を受けなければならない。
■ソース
Minister slams ‘inconsistent’ Victorian rules that let in tennis players but not Sydneysiders
https://www.smh.com.au/national/minister-slams-inconsistent-victorian-rules-that-let-in-tennis-players-but-not-sydneysiders-20210115-p56uep.html